山口を歩く

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路地--昔ながらの町並みの原風景--

 早朝散策コースの一角に昔ながらの風情を残す上山口の集落がある。集落の真ん中を抜ける旧街道と有馬川沿いの県道の間に民家が立込んでいる。
 新興住宅街のような区画整理とは無縁の街である。民家と民家の間を人ひとりが通り抜けられるほどの狭い路地が縫っている。今朝の散歩道で思い立ってその路地に足を踏み入れてみた。
 何とも言えない郷愁が漂う雰囲気に包まれた。幼い頃、夏休みごとに訪ねた田舎の親戚の風景がよみがえった。ブロック塀越しに植木が枝を張り出している。時に生垣の緑が行く手を阻んでいる。何よりも民家の壁に設けられた物置の風情は懐かしい。何本もの農作業用の棒が横たわっている様は田舎の風情のシンボルだ。
 日本の昔ながらの町並みの原風景を織りなしているのが路地である。




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草いきれ

 曇り空の湿気の強い初夏の散歩道だった。早朝にもかかわらず蒸し暑さが身体を包んでいた。有馬川緑道を折れて万代橋を渡った。有馬川に目をやると、川面は中洲の草むらと川縁ちのさくら並木の緑に覆い尽くされていた。
 明徳寺の土塀を伝って上山口の旧街道に入るのが最近の散歩コースになっている。寺の南側の公園を抜けようとした時、むせかえるようなにおいにたじろいだ。ふと「草いきれ」という言葉が浮かんだ。高温多湿の空気が草の中に潜んでいる匂いを引き出しているのだろうか。

 



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新緑を身体中に浴びた散歩道

 小雨模様の5月中旬の早朝である。新明治橋東詰めから有馬川緑道に入った。目に飛び込んだのは鮮やかな緑のトンネルだった。新緑の装いをまとった左右のさくら並木の下の散歩が心地よい。
 平成橋を越えて緑道を進んだ。さくらの枝が緑道側に垂れていた。黄緑の葉っぱの陰にちっちゃなさくらんぼうの赤い実が息づいていた。
 万代橋を渡って明徳寺の塀越しに上山口の旧街道に向かった。新緑の庭木の合間から明徳寺本堂の風格のある甍が望めた。
 松栄橋を折り返して明治橋までやってきた。下山口会館横の緑道からの眺めも圧巻だった。緑道のど真ん中に二本のさくらの大きな老木が立ちはだかっている。濃い緑の葉っぱに包まれてひと際大きくなった枝振りが通行人たちをへい睨している。
 この時期の匂いたつような新緑を身体中に浴びた散歩道だった。

 



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新緑がまぶしい季節がやってきた

 雨上りの早朝である。有馬川緑道をいつものように有馬方面に向かっていた。
 明治橋を渡った先の緑道を左右の並木が路上に腕を差し伸べていた。つやつやの新緑だった。遅咲きのさくらの白っぽい枝振りが混在している。新緑のトンネルに鮮やかなピンク色を添えているのはハナミズキである。
 雨上りの並木の新緑は妙に心を浮き立たせる。足取り軽く早朝のウォーキングを愉しんだ。

 



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濃霧とハナミズキの散歩道

 有馬川緑道を南に向かういつもの散歩道は久々の濃霧だった。山口郵便局を覆うクスノキが霧に包まれた風景の中でくっきりと存在感を誇っていた。新明治橋からの六甲方面を望む風景は川面を覆うベールが幻想的な風情を醸していた。
 ところが有馬川緑道をわずか数分進むうちに霧は一気に追い払われた。新平成橋袂を過ぎたところで鮮やかなピンクの景色が目に飛び込んだ。ハナミズキだ。個人的にも大好きな樹木である。ピンクのグラデーションを刷いた花弁の慎ましくも可憐な趣きにしばし視線を止めた。周囲の絢爛豪華なさくら並木が葉桜に変身した後のハナミズキがひと際印象的な姿で佇んでいた。



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日程固定のさくらまつりの開花は運任せ

 

 季節の移ろいが夜明けを早めていた。6時前ながら玄関ドアの向こうはすっかり明るくなっていた。先日来のポカポカ陽気が住宅街を縁どっているさくら並木をピンクに染めていた。
  いつものように新明治橋袂から有馬川緑道を南に向かった。有馬川緑道は山口町の有数のさくらスポットである。山口町の4月第1土曜日恒例のさくらまつりはこの有馬川緑道が舞台である。そのさくらまつりを1週間後に控えていた。
 下山口会館横のさくら並木の風情のある老木が散策を遮るように迫ってくる。平成橋袂の北側には緑道随一のさくらの大木が豪快に大ぶりの枝を広げいる。その北側の緑道は道幅を広げさくら並木が縁取る広場となっている。さくらまつりのメインスポットである。更に進むと明徳寺の大屋根の甍が川を隔てて目に留まる。甍にかぶさるさくらのピンクの枝ぶりが風情をかもす。
 緑道を飾るさくらスポットの風情を辿った。どのさくらも開花直後の初々しさと固さの残る蕾が混在している。一週間後のさくらまつりの開花状況を危惧した。毎年恒例のさくらまつりに関わって10年になる。開花に合わせて開催されるわけでない。日程固定で開催されるさくらの開花は運任せである。小雪の舞う寒さに震えたさくらまつりもあった。今年は満開を過ぎた散り染めのお花見になりそうだ。



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雪の散歩道

 珍しく天気予報が誤報だった。曇り後晴れの予想に反して玄関ドアの向こうは雪が舞っていた。こんな日は早朝の暗い中を歩かなくてもという気持になりかけたが生活習慣はやめられない。積もったばかりの歩道の雪は凍結の懸念はない。シャキシャキと雪を踏みしめながらコートのフードで雪を避けながら歩いた。
 いつものように有馬川緑道を松栄橋で折り返し下山口会館横にやってきた。雪景色の緑道、有馬川、大ケヤキをスマホのカメラに収めた。春道公園の向こうに北六甲台の雪屋根の町並みが眠っていた。新明治橋からは有馬川に架かる明治橋の上にかすかに雪化粧した六甲の山並みが横たわっていた。我が家のある住宅街の通りに帰ってきた。降り積もった雪に覆われて純白のバージンロードを踏みしめる快感を味わいながら歩いた。



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濃霧の散歩道

 朝6時過ぎに家をでた。雨上りの早朝の暗がりを湿った空気が包んでいた。有馬川緑道を南に進み松栄橋で折り返した。
 いつもなら夜明けの薄明りに照らされる筈の光景が闇に沈んでいる。何気なく手で顔を拭った時、顎髭がしっとり濡れているのに気がついた。徐々に漂ってきた明るさを通して濃霧で覆われた景色を浮かび上がらせた。濡れた髭の正体だった。
 下山口会館横の緑道を歩きながら夜明け直後の幻想的な濃霧の風景を撮った。北六甲台の住宅街が濃霧の下で眠っていた。畑山と丸山が夜明け前の薄暮の空に二瘤ラクダのように寝そべっていた。今は閉店した仁木家と大ケヤキを車のライトが浮かび上がらせた。

 



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幻想的で 素敵なお写真ですね。

[ mamimi ] 2018/01/18 16:41:17 [ 削除 ] [ 通報 ]

すみません。コメント見落としていました。夜明け直前のこの時間帯ならではの光景でした。

[ 明日香 亮 ] 2018/01/22 4:36:28 [ 削除 ] [ 通報 ]

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初雪翌朝の雪景色

 初雪の翌朝の散歩道を歩いた。路面を覆っていた雪が半ば凍結し車がカシャカシャと音を立てて通過していた。通常の靴では滑って転倒する懸念がある。家内が靴の上から装着するスパイクを出してくれた。
 いつもより1時間遅れで出発した。有馬川緑道をいつもの半分で折り返した。下山口会館横の雪に染まった白い道と有馬川その先の山口の大ケヤキの風情に心和ませた。春道公園横の緑道からは桜の枝の下に雪の北六甲台住宅街が横たわっていた。
 めったに目にすることのない日の出前の薄明かり雪景色だった。

 



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夜明け直前の山口風物詩

 朝6時頃、コタツに入って寒波襲来を告げるテレビ画面を眺めていた。意を決して離れがたいコタツのぬくもりから抜け出た。激しい風雨ならいざ知らず寒さを理由に永年の生活習慣を途絶えさせるわけにはいかない。
 完全防寒に身を包んで玄関を出た。外気に晒された肌を寒波が容赦なく襲う。冷気が顔の肌を刺しスマホ用の手袋の指先がしばれる。いつもより遅い早朝ウォーキングの出発が雲ひとつない快晴の夜明け前の空をプレゼントしてくれた。
 住宅街の出口の信号を渡り、国道176号線の南に向かう。目の前に郵便局隣接の大クスが薄明りの空を背景に黒い美しいシルエットを描いていた。丸山と畑山の山並みを借景としたシルエットの美しさをスマホカメラで写し取った。夜明け直前のこのタイミングでしか目にすることのできない山口の風物詩である。寒波の朝のウォーキングのご褒美だった。
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明日香 亮
プロフィール
山口は豊かな自然と歴史や伝統に育まれた街である。散歩道で目にする四季折々の風景や風物詩を綴ってみたい。
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