山口を歩く

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散歩道の遅咲きの菖蒲

 ブログで散歩道の風景を記事にしなくなって久しい。朝のウォーキングをポケモンGOの愉しみとセットにしたためだ。風景を愛でるよりもポケステーション巡りのコースを優先させた。
 そんな散策コースにも時にブログ記事にしたくなる風景に出くわすことがある。今日もそんな風景に出くわした。山口町名来の旧街道沿いに半ば放置されたような花畑がある。その畑の奥に群生した菖蒲が鮮やかに咲き誇っていた。多彩な紫色が見事なグラデーションを醸している。思わずスマホカメラでキャッチした。
 五月人形に添えられた菖蒲のイメージが強く五月頃がシーズンだと思っていた。今はも6月中旬である。かといって目にした花弁は朽ちかけのものではない。まだ蕾の花弁も散見できる。遅咲きの菖蒲にあらためて見入った。

 




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久々の有馬川土手道と満開のさくら並木

 ブログの散歩道カテゴリーの記事がすっかり少なくなった。ポケモンGOを始めて以来散歩コースが山口の集落内の旧街道に限定されるようになった。その結果、ブログ記事にしたくなるような季節の移ろいの風景を目にすることがとんと少なくなった。
 そんなこの頃だが、今朝の散歩道では天上橋を渡り集落に向かういつものコースを変更した。橋を渡らずまっすぐ有馬川沿いの土手道を進んだ。目の前の満開のさくら並木の咲き誇る花の誘いを断れなかった。中国道のガードをくぐった先にお気に入りの風景がある。並行する有馬川と土手道とさくら並木がおりなす風景である。その風景は満開のさくらをつけた並木道となる季節にピークを迎える。ピークの風景を愛でながら久々に有馬川土手道を歩いた。

 



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有馬川の鴨たちの朝食

 最近、とんと散歩道のブログ記事を更新しなくなった。わけは明白である。ポケモンGOのせいだ。プレイに欠かせないモンスターボールを手に入れるにはポケストップを通過しなければならない。山口町というローカルエリアにはそれは極めて限られる。私の散歩のコースエリアでは旧集落内の公園や社寺などわずか5カ所である。勢いほぼ毎日そのスポットを巡るコースが定番化してしまった。季節の移ろいを身近に感じられる自然豊かな散策コースは断念する他ない。散策記事のネタが遠のいた所以である。
 そんな早朝散策の日々だったが、今朝の散歩でふと記事ネタを目にした。時おり粉雪が舞う寒風の有馬川の土手道を歩いていた。川面に小鴨の群れが漂っていた。しきりにくちばしを川面に突っ込んでは頭をもたげて遊泳している。川の中に生息する小さな虫を食べているのだろう。スマホのポケモン画面から目を離してしばらく鴨たちの朝食風景を眺めた。川面に目を移して鴨たちをぼんやりと眺めている自分を見つめている私に気づいた。ふと「我に返った」という想いがよぎった。

 



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二日続きの降雪の散歩道

 朝7時前である。玄関ドアを開けると昨日と同じように雪景色が広がっていた。門扉を結ぶ階段は二日続きの降雪で凍結の気配がある。壁に手を添えて恐る恐る道路に出た。
 昨日歩いた有馬川の土手道も凍結の懸念がある。古希を越えた身には転倒は何よりも避けなければならない。コースを変えて山口町名来の旧集落を歩いた。
 集落の真ん中を抜ける旧街道沿いに二つの公園がある。名来公園と廿日田公園である。二つの公園の見慣れた筈の景色が一変している。真っ白なグランドに雪で縁どられたさくら並木や遊具やベンチが幻想的な姿を生み出していた。曇り空の明けきらないきらない早朝の薄闇みに「雪灯り」を実感した。

 



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久々の雪景色の散歩道

 昨日から寒波来襲である。昨晩から久々に雪も降っていた。早朝6時半、万全の防寒具に身を包み玄関をでた。まだ薄暗い住宅街の真っ白な路面には街灯に照らされた二三本のタイヤ痕が浮かんでいた。久々の雪景色には心躍ろされるものがある。
 住宅街を抜けて有馬川堤に出た。こちらの路面はさすがに純白のベールに覆われて人の痕跡は何もない。時とともに明るさを滲ませてきた白紙のキャンパスに私の足跡だけが刻印を記していく。カシャカシャと記される刻印にときめいた。
 中国道のガード下を潜り抜けた先で、薄暮から抜け出した別世界のような光景を目にした。一面の広々とした景観が雪化粧を纏って広がっている。有馬川と田圃に挟まれた土手道が、雪に覆われて太くて鮮やかなペイント状に描かれている。その先の愛宕橋袂には見事な枝張りの古木が立っている。黒い骨しかない古木が白亜の風景の中でひときわ存在感を誇示していた。対岸の国道沿いに建ち並んだ店舗の灯りが雪景色に吸収されるように輝きを失くそうとしていた。
 スマホ用手袋に指先をかじかませながら雪景色の散歩道を歩いた。



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晩秋の朝焼け

 日曜日の朝、肌寒さに身をこごめながら6時前に自宅を出た。散歩道のいつものコースを歩き終えて176号線のマクドナルド前にやってきた。東の空が朝焼けで薄紅色に染まっている。晩秋らしいイワシ雲のまだら模様が美しい。パラボラアンテナの立つ畑山から南に向かって逆光の山並みが黒く続いている。そのど真ん中を電線を支える鉄塔がそびえている。
 癒される風景を久々に眺めた気がした。このところ慌ただしい毎日を過ごしていた。どこか気持ちのゆとりを失くしていたのかもしれない。多くのことを抱え込みすぎている。終活がテーマとなる年代なのだ。断捨離とはモノだけではない。背負った役割を降ろしていく「コト」の断捨離も求められる。散歩道の光景がそんな感慨をもたらした。

 



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久々の散歩道記事の投稿

 散歩道のブログ記事が稀になった。早朝ウォーキングをやめているわけではない。犯人はポケモンGOである。ポケモンを楽しみながら散歩する習慣が定着した。そのためにはポケモン捕獲道具のモンスターボールの獲得が欠かせない。モンスターボールはポケストップという所定のスポットを訪ねることで得られる。勢い散歩道のコースはポケストップの多いルートで固定されてくる。そのため集落中心部の旧街道沿いのポケストップの多いルートになり四季折々の自然豊かな従来のコースから外れることになってしまった。
 それでも稀に季節の節目を感じさせる光景を目にする。名来の集落の真ん中に住宅開発からもれた何枚かの稲田がある。今朝の散歩道で見かけたのは刈り取られたばかりの稲の「ハザ掛け」だった。この季節には子どもの頃には毎日のように目にした郷愁を誘う光景である。スマホのポケモン画像を中断してカメラに切り替えた。ポケモンを確保するのをしばし断念して懐かしい風景を確保したた。

 



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真っ青な空に漂う秋の気配

 いつものようにハーフパンツにTシャツ一枚で家を出た。外気に触れた途端に身を縮めた。涼しさを越えた冷気が肌を刺した。昨日までのあの暑さが一変していた。考えてみれば8月末である。8月という言葉が運んでくる季節感と別れを告げる節目を迎えていた。
 有馬川を南に向かい山口郵便局の向かい側で信号待ちをしていた。目の前に市の天然記念物「山口の大ケヤキ」がそびえている。真っ青な空を背景に10mを超える濃い緑の枝張りが雄大な佇まいを見せている。雲ひとつない空の鮮やかな青さがケヤキの緑と見事なコントラストをなしている。どこまでも高く天を押し上げた空に秋の気配が漂っていた。

 



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畦道のクモの巣のとおせんぼう

 真夏のこの時期に隣町・平田まで足を伸ばす早朝散策コースには途中に厄介な関門がある。有馬川土手道の北の端を右折した先に田圃一枚を隔てて旧丹波街道が名残りをとどめている。元々、土手道から旧街道へ繋がるルートはない。田圃の畦道が辛うじて繋いでいるばかりである。
 いつもなら難なく通過できるこの畦道を前にして躊躇した。畦を覆っている生い茂った雑草は朝露をたっぷり含んでいる。それでもこの時期の平田の田園地帯を歩く爽快感は魅力的である。意を決して畦道に踏み込んだ。歩みのたびに露がハーフパンツの裾から上を濡らし、スニーカーには見る間に露水に浸される。
 真ん中あたりで畦を遮断する障害物を目にした。伸びた左右の雑草を足場にしたクモの巣だった。糸にまとわる露が朝日を浴びてキラキラ光っていた。巣のど真ん中で薄茶色のクモが8本の足を放射線状に伸ばして張り出した糸に掴まっている。通れるものなら通ってみろとばかりにふんぞり返っていた。この光景を前に再び前進をためらった。進むにはクモの巣を払いのける他はない。左端の一本の糸を払って進入路を作り突破した。
 畦を渡り終え旧道に辿り着いた時、パンツの下半分を露水に濡らしスニーカーをグッショリ濡らすという代償を支払った。

 



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小さい秋見つけた

 夏真っ盛りだ。日中のうだるような暑さが続いている。それでもさすがに早朝6時前の散歩道はしのぎやすい。有馬川にかかる愛宕橋の東のたもとにポツンと一軒家が建っている。庭の栗の樹が土手道に向かって腕を伸ばしている。
 何気なく眺めた濃い緑の枝振りの中に黄緑のイガイガを見つけた。真夏のただ中の意外な風景に心が躍った。真夏を欺くかのような小さな秋を見つけた。

 



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明日香 亮
プロフィール
山口は豊かな自然と歴史や伝統に育まれた街である。散歩道で目にする四季折々の風景や風物詩を綴ってみたい。
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