山口を歩く

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リビング・ウイルをご存知ですか

 1月末発行の福祉ネット広報紙で「リビングウイル(延命治療の生前の意思)」 を取上げた。役員会では掲載に当たってためらいの声もあったが「情報の紹介」ということで了承された。以下、記事を紹介する。

■終末期医療の現実
 四〇年ほど前までは自宅で亡くなる人がほとんどでした。ところが今では八割の人が病院で亡くなっています。日本では自宅での穏やかな死(平穏死)を迎えることが難しくなりつつあります。
 平穏死が叶わない要因には、終末期の患者が病院に入院すると必然的に延命治療が行われるという点があります。一度延命治療が始まると医療訴訟等の懸念から本人や家族が途中で中止を希望しても実行されにくいという現実があります。
■平穏死の条件
 在宅医の長尾和弘氏は「『平穏死』10の条件」という著作で平穏死を迎えるための次のような条件を提案されています。▼看取り実績のある在宅医を探す▼本人・家族が死後の準備について話し合う▼平穏死させてくれれる施設を選ぶ▼リビング・ウィルを表明する▼「転倒➡骨折➡寝たきり」を予防する▼救急車を呼ぶことの意味(蘇生、延命治療を希望するという意思表示)を考える▼緩和医療の恩恵にあずかる等々。
■リビング・ウイル
 特にリビングウィルは終末期の選択肢の一つとして注目されます。終末期に延命治療を拒否し穏やかな最期を迎えたいと思っても困難な現状です。認知症等で自分の意思をはっきり伝えられない場合は尚更です。
 そこで延命治療に関する自分の意思をリビングウィルとして健康なうちに書面で残しておくという選択肢があります(下記の「要旨」参照)。
 終末期医療を考える上での情報のひとつとして紹介しました。

-------------「リビング・ウイル」の要旨--------------
1.私の傷病が不治で死が迫っている時、単に死期を引き延ばす措置はお断りします。
2.ただし、私の苦痛を和らげるためには十分な緩和医療を行ってください。
3.回復不能な遷延性意識障害(持続的植物状態)に陥ったときは生命維持装置を取りやめてください。
 以上、私の宣言に従ってくださったとき、すべての責任は私自身にあります。(日本尊厳死協会の事例)

 




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有馬病院の施設見学と認知症研修

 福祉ネット役員会メンバーを対象にオブザーバー事業者である有馬病院の施設見学と認知症研修を開催した。社協役員や介護者等の一般参加者も含めて10名が参加した。
 午後2時30分に病院受付に集合し、最初に5人ずつ二班に分かれてスタッフの案内で施設見学をした。有馬病院には一般病棟と心療内科リワーク病棟の二施設がある。一般病棟は昭和33年に開設され現在370床の規模の施設である。社会復帰に向けて診療に加えて医療相談、看護・介護、作業療法、外来デイケア等が実施されている。リワーク病棟は5年前に開設された最新の設備を誇る「うつ病・うつ状態」専門の病棟だった。社会復帰に向けて最新機器の検査と3カ月程度の入院治療プログラムが実施されている。30床の病室は全室個室でホテルのような快適な設備である。
 施設見学を終えて3時から会議室で「認知症勉強会」に臨んだ。講師は精神科の30代とおぼしき医師だった。認知症についてはサポーター養成講座等で介護や見守り等をテーマに一般的な研修は受けたが、ドクターによる専門的な講座は初めてだった。認知症の症状、病態、治療、生活指導、介護等が医師の立場からプロジェクターを使って解説された。代表的な病態であるアルツハイマー認知症の症状についても医学的な解説があり、薬物療法についてもその功罪を個人の見解も交えて説明された。
 90分という限られた時間の駆け足の施設見学と研修会だったが、2点の感想を抱いた。ひとつはいわゆる精神病院のイメージが一新された点である。有馬病院自体は北六甲台が開発されるずっと前から開設されていた。後からやってきた住民からは何かと違和感を持たれたことも耳にした。実際に施設見学してみて予想外のオープンさを目にしてそうしたイメージが払しょくされた。ましてや認知症がこれほど一般的になった今日、精神疾患治療の施設は一層身近なものになっている。今ひとつは認知症治療の病院所属ドクターのスタンスについての感想である。ともすれば投薬治療に偏りがちではないかと危惧したが杞憂だった。「厚労省の通達で抗認知症薬の増量規定が適量処方に変更されたが、医療現場ではどのような受け止め方か」という私の質問に「歓迎している」との回答があった。

 



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コープ地区本部と懇談

 今年6月に開催した福祉ネット第2回総会で、新たにコープこうべにもオブザーバー事業者に就任して頂いた。エリア内の西宮北店所管の地区活動本部長に総会出席してもらい担当して頂くことになった。
 ところがその後の人事異動で本部長が交替し、加えて今後の組織変更で所管部署も変わることが予定されている。そんなことからコープこうべの関係者と福祉ネット事務局との懇談会を設けて頂いた。新任の本部長はじめ関係する地区担当理事さん、地区担当マネジャーさん等5名の皆さんと1時間半余り懇談させてもらった。
 懇談はもっぱら福祉ネットという新たな地域福祉組織の説明がテーマとなった。私から福祉ネットの広報紙3号分をお渡しし40分ばかり説明した後フリーな懇談となった。コープからは「くらしのサポート」というコープが手掛ける住民の困りごと支援に関わる全ての事業や活動をまとめた冊子を紹介された。
 社協ボランティアセンターの「よりそいサポート」の事業モデルでもある「コープくらしの助け合いの会」の事業をはじめ、北六甲台でも再開された移動店舗、在宅ショッピング、配食サービス、組合員集会室での「ふれあいサロン」等、福祉ネットとの今後の関わり分野も多い。懇談での論議でも理念的な部分でも共感する点が多かった。あらためてコープこうべの通常の民間事業者を越えた活動領域の広さや奥行きを知らされた。

 



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三途の川は楽して渡れない

時代を反映した小噺がある。近年、高齢女子のスイミングスクール通いが大流行りだそうだ。そんなおばあちゃんが訊ねられた。「おばあちゃんはどうしてそんなに熱心にスイミングに通うの?」。おばあちゃんが答えた。「そりゃあ、あなた。三途の川を泳いで渡れるようになるためよ」。その話を傍で聞いていたおばあちゃんの嫁が、スイミングスクールのコーチにこっそり頼み込んだ。「先生!くれぐれもウチのおばあちゃんにターンの仕方だけは教えんといてネ」。
 このおばあちゃんの努力は的を射ている。キョウビ、三途の川は楽して渡れない。世の中、超高齢社会を迎えて介護が必要なお年寄りで溢れている。介護施設や介護スタッフや病院のベッドが追いつかない。溢れたお年寄りは在宅介護の環境を整えるか、劣悪な施設をさまようほかない。老後破産、老人漂流社会、孤独死が現実味を帯びている時代である。生きるに生きられず、死ぬに死にきれない。三途の川の真ん中で漂っている。
 この現実は、お年寄り本人だけの問題ではない。40代、50代の働き盛りの世代にとっては父母の介護問題でもある。施設入居が叶わず在宅介護が避けがたいとなると介護離職という苛酷な選択肢が迫られる。「親孝行、したい時には、親はなし」の時代は遠くなった。「親孝行、したくもないのに、親はいる」時代なのだ。
 愚痴ってばかりもいられない。政治にも行政にも期待できないなら、自分たちで何とかするほかない。そんなわけで来るべき「在宅介護」時代に備えて地域で支え合う仕組みづくりに乗り出した。「福祉ネット北六甲」が船出した。


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在宅ケアの地域の事業者さんとの懇談会

 先日、午前中の福祉ネット役員会の後、午後からオブザーバーとアドバイザーの皆さんにお越し頂き事業者懇談会を開催した。テーマは福祉ネットの今年度の最重点課題である「在宅ケアの地域支援の進め方」である。
 在宅ケアという医療・看護・介護の課題は住民組織だけでは手に余る分野である。幸い福祉ネットは設立当初から地域の病院、介護施設、障がい者施設、開業医、薬剤師、ケアマネジャーの皆さんをオブザーバー、アドバイザーとして連携してきた。今回も13名の専門分野の皆さんに参加して頂き、福祉ネット役員8名が参加した。
 それぞれの立場から地域住民の在宅ケアについて可能な支援を伺った。介護施設からは「介護全般の気軽な相談」「介護用具の貸出し」「在宅介助の指導」「介護技術の講習」等の提案があった。精神科の専門病院からは「認知症等の外来受診後の訪問看護」「電話による医療相談」「研修での専門医の講師派遣」が紹介された。在宅医からは「訪問診療、看取り、末期がんの緩和治療」が案内され、病院とかかりつけ医の使い分けも提案された。薬剤師からはかかりつけ薬剤師制度の概要が紹介され、お薬手帳の一元化や残薬管理等が紹介された。病院系特養所属のケアマネさんからは徘徊等の緊急時の受入れ等が紹介された。
 その後、相互の質疑と懇談に移った。「北部地域の訪問介護センターの脆弱さ」「徘徊者保護の地域での態勢」「介護者の緊急時のサポート」「デイサービス施設での緊急時の特養等での受入れ」「福祉マップ(認知症、寝たきり介護、障がい者等の要支援者とそれぞれのサポーターの地図上の特定化)づくり」等、多岐にわたる課題が意見交換された。
 1時間半という短時間ながら中味の濃い懇談会だった。

 



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福祉ネット役員会と歓送迎会

 福祉ネット北六甲の第2回総会の一週間後の昨日、今期の第一回役員会を開催した。テーマは「第2回総会のまとめと反省」「広報紙第3号(総会報告)の校正」「オブザーバー・アドバイザー懇談会の開催」の3点だった。
 総会のまとめと反省では様々な意見が噴出した。総会と福祉フォーラムの在り方を巡る意見だった。出された意見はそれぞれに一理ある。手探りで始めて2回目の総会&フォーラムだった。その結果、問題点や課題も見えてきた。次回の開催に向けてあらためて再検討したいと思った。
 12時に役員会を終えていったん解散し、17時に最寄りのカフェに再集合した。12名の役員の内3名が退任し、6名が新任された。新旧役員の歓送迎会を兼ねた懇親会だった。参加者全員から自己紹介を兼ねて経歴や福祉ネットへの想いなどを語ってもらった。役員会ではうかがいしれない一面を垣間見た2時間余りの懇親会だった。

 



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在宅医との懇談(怪我の功名)

 持病の腰痛が再発した。朝起きた時に左の腰に鈍痛が走った。デスクワークを終えて立ち上がろうとすると足の力が抜けるような感覚に襲われた。2〜3年位の周期で見舞われる持病が始まったと思った。
 昨年5月に地域のかかりつけ医として「山口町おかざきクリニック」が開業した。頭痛や腰痛などのペインクリニックが専門のようだが一般内科も診てもらえる。何よりも山口では唯一の在宅医療を行ってもらえる医院である。そんな背景もあって福祉ネット北六甲の立場からもコンタクトを取った。その結果、院長の岡崎医師のアドバイザー就任の同意を得て先日の第二回総会にも出席して頂いた。
 そんな経過もあって昨日の朝一番におかざきクリニックを訪ねて再発した腰痛を診てもらった。症状を説明しレントゲンを撮ってもらう。脊椎等に異常はなく筋肉系の痛みではないかとの見立てだった。併せて気にかかっていた血糖値も検査してもらった。自宅の血糖値検査機で計った最新数値は230で基準値をはるかに越えていた。クリニックでの結果は88という正常値内でひとまず安堵した。
 受診後、2階のリハビリスペースでマシンやウォーターベッドで軽くストレッチやマッサージを受けた後、岡崎医師と福祉ネット関連の懇談をした。福祉ネットの今年の最大のテーマは在宅ケアである。在宅ケアに関わる訪問診療、訪問看護、訪問介護の情報やネットワークの環境整備は欠かせない。そのベースとなる訪問診療についてかなり突っ込んだ懇談ができた。持病の再発という事態を福祉ネットの環境整備に結びつけらた。怪我の功名とはこのことか。

 



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第2回福祉フォーラム!テーマは「在宅ケア」

 一昨日の福祉ネット北六甲第二回総会の後、社協北六甲台分区との共催で福祉フォーラムを開催した。福祉ネットでは毎年総会後に福祉フォーラムを開催し、時節に応じた高齢者福祉に関わるテーマについて地域で問題意識を共有することにしている。
 設立総会の「住民主体の地域包括ケアシステム」のテーマに続き、今回は「知っててほしい在宅ケア〜地域で暮らすために〜」をテーマに、訪問看護センター明和の中島淳美看護師主任に講演をお願いした。
 14時40分から1時間半余り、豊富な訪問看護の体験に裏付けられた在宅介護の現状、留意点、助言がパワーポイント画像を交えてたっぷり語られた。端的に言えば、終末期医療も含めて在宅ケアという選択肢の前向きな検討の提案ということになる。それは病院や施設での看取りを想定していただろう多くの受講者にあらためて在宅ケアの現実的な選択を考えさせられた筈である。
 講師が体験した在宅でのケアや看取りの様々な事例が紹介された。介護の苛酷さだけでない肉親とよりそいながら終末期を過ごすことのかけがえのない体験も語られた。もちろんきれいごとでは済まされない苛酷さもあるに違いない。それでも在宅での介護や終末期医療は多くの当事者の願いでもある。講師はそのことを現実的なテーマとして聴衆に一石を投じた筈である。福祉ネットがそのために地域で何を支援できるか。あらためてそのことを胸に刻んだ。

 



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福祉ネット第二回総会の参加者の顔ぶれと反省

 昨日の午後、福祉ネット第二回総会を迎えた。山口ホールの広い会場にどれだけの参加者を迎えられるか懸念していた。同じ時間帯に小学校区の運動会が開催されていた。参加者の内、総会代議員の運動会参加との重複がかなりある。
 蓋を開けると参加者総数は昨年の設立総会の120人を25人下回る95人だった。増減の内訳は代議員18名減、来賓・オブザーバー・アドバイザーの関係者1人増、一般参加者8人減である。代議員の減少幅の大きさは運動会の影響もあるが、自治会、福寿会(老人会)へのアナウンス不足も大きい。ちなみに社協分区は1人増である。
 特に自治会は昨年の代議員である班長が全員入れ替わった直後で、福祉ネットの認知度はゼロに近く12名もの減少だった。総会当日の夜に6月の班長会議があり社協・福祉ネットの説明の機会を得た。高齢化した住宅街の実態を中心とした15分ほどの説明に高齢者も多い班長たちからの確かな手応えを感じた。来年度は何としても総会前の5月の班長会議での説明が必要だ。
 参加者の収穫もあった。昨年はゼロだった一般参加の民生委員関係者が9人もあった。山口地区から6人、南部西宮から2人、市の事務局1人である。地域の高齢化問題に関わる民生委員の役割は大きい。高齢化問題は山口地区共通のテーマである。新興住宅街である北六甲台分区の取組みが先行しているが山口分区でも地区ネットワーク会議機能の導入が着手された。今後の連携をはかる上で参加頂いた山口地区民生委員の皆さんに期待したい。

 



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福祉ネット総会準備の「悪い癖」

福祉ネット北六甲の総会前日である。ここ一カ月ほどは総会準備に物理的にも精神的にもエネルギーを費やした。日程設定からつまづいた。日程を役員会で決定した直後に、同じ小学校区のスポーツ21主催の運動会が開催されるという情報が伝わった。当初は対象とする年層の違いから出席代議員への影響は少ないのではと期待したが、出欠返信の状況から委任状が多く、かなりの方の重複があることがわかった。個別の出席要請を重ねて何とか定数の半分位の出席のメドがついた。一般の参加者も山口地区の民生委員等の福祉関係の知人を中心に声掛けさせて頂いた。
 6団体の寄合い世帯である福祉ネットには事務局スタッフはいない。中心的な組織である社協分区執行員会のカバーはあるものの、実務の大半は事務局長である私が担当する他はない。総会と福祉フォーラムのチラシ作成、議案書作成、会場手配、福祉フォーラムの講師選定と依頼、代議員案内状と出席代議員の確定、代議員証作成、来賓案内状と出席確認、司会者と総会議長の進行シナリオの作成と打合せ、会場舞台看板の作成等多岐にわたる。幸い昨年の設立総会でそのほとんどのフォーマットがデータとして自分のPCに保存されている。本来、12名の福祉ネット役員間で分担すべきだと思うが、昨年データを修正しながら処理する方が手っ取り早い。頻度の高いイベントならそうも言ってられないが、年に1度のことである。結局、ほとんどを自分でやってしまった。
 ドラマ『相棒』の杉下右京ではないが、なんでもひっかぶってしまうのが私の「悪い癖」と、反省しきりである。



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明日香 亮
プロフィール
山口は豊かな自然と歴史や伝統に育まれた街である。散歩道で目にする四季折々の風景や風物詩を綴ってみたい。
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