心はずっと0798

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頭に浮かんできた話 その326

鬱々すぎて脳が爆発しないようにいっぺんに絞り出してみました。

 

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すっかり慣れてはいてもいっこうに馴染むことのない狭い車が多い道を松村さんとミカエル氏を乗せた車で走りました。
本当に見たくもない、見るたびに怒りに近い嫌悪感を感じる汚い町の中を。

 

やがてドラッグ・ストアの看板が見えはじめ、前にある駐車場を横ぎって建物のサイドから離れ小島的になっている裏手の小さな四角い駐車スペースに入りました。
実際に車でここに入るのは初めてでした。

 

 

「しんちゃんのうちってどこなん?」
「目の前や。向かって左。」
「今娘さんらおるん?」
「あの二人は帰りが遅いねん。」

 

ミカエル氏はセカンド・バッグに手を入れて何やらさがしていました。

「あんた、家の鍵今持っとるんか?今なけりゃあここに合鍵になるのがあるで。」

 

言われてわたしは自分のバッグの底をさぐってみました。ありました。
まあ当たり前かもしれません。一回もバッグから出したおぼえはないし。

 

「よっしゃ。ほな手早く済ますか。二人で中入って服やら投げてんか。」

「ユカリちゃん行こか。なんかめっちゃ恥ずかしいけど。」

 

車を降りて正面へ回ってわたしは鍵を開けました。
相変わらず靴が散らかっていました。
でも幸い臭かったりはしませんでした。

 

「ユカリちゃんこっち来て。階段上がるねん。」

松村さんはじろじろ見ないように気をつかいながらわたしに連いて階段を上がりました。

 

「ちょっと待っとって。ビニール袋持ってくるわ。」
「うん。」

松村さんを待たせてわたしは45リットル大の袋を持てるだけ持って再び2階に戻りました。

 

「散らかってるねえ。万年床やし。」
「恥ずかしいから言わんといてんか。さあ、まずはシャツやセーターやズボンやな。」

わたしは見繕って松村さんに渡し、松村さんはうまく丸めて袋に収めました。

そこそこ集めたところで、わたしは今ここに存在しているレプリカの私が困らないようにある程度の数で切り上げて掃出し窓を開けて裏手の駐車場にいるミカエル氏に合図しました。

 

「おう、投げてんか。ちゃんとキャッチするから心配すなよ。」
「行きますよ。ほれ。」

 

ブンと投げたら真下に落ちたりせずミカエル氏の腕のところへきちんと行きました。

 

「ほな次をまとめますわ」

「しんちゃんこのバッグにベルトとかニット帽子とかそういうのん入れたらええ

 ね。」

 

前回使ったっきりずっと放置していたボストンバグを松村さんは広げました。
適当に全部がなくなったりしないように松村さんに渡すと又彼女は上手に収めてくれました。
こいつは自分で肩にからげて行こう、と決めて次はクローゼットの中に移りました。

ジャケットやウール・パンツやコートなどをハンガーにかけたまま袋に入れてもらうとひとつひとつが嵩張るので袋3つがすぐにいっぱいになりました。
下着も少しだけ詰めて、持ち出し品の袋詰めは終わりました。

 

「ミカエルさーん、ちょっとようけあるんでお願いします。」
「おう、かまへん、次々こっちへおくれ。」

 

袋をキャッチしてすぐ車のハッチへ走り載せたら又戻ってきてというのを数回繰り返して作業終了となりました。

「パソコンは持っていったらあかんよね。こっちにいる替わりのしんちゃんが困る

 から。ええよ。ネットはうちに任しといてくれたらね。」

 

考えてみたら松村さんが自分のことを<うち>というのを初めて聞いた気がしました。

そしていろんな物の詰まったボストン・バッグを肩にからげて一緒に階下に降りました。
1階でふと思い出して私はもうひとつ黒いビニール袋を2つ出しました。
靴も下駄箱からいくつか持ち出して行こうと思ったからです。
松村さんに先に外に出てもらい、私は下駄箱からいくつか靴をそして最近使っていなかった古いスニーカー二つをを黒ビニール袋に放り込んで遅れて外に出ました。

 

「袋私が持つよ。」

松村さんがそう言ってくれたのでありがたくひとつ持ってもらって、再び自宅の裏手へ回りました。

 

「ここね、隣のこの店の関係者が車置く場所ですねん。不審がられへんように表側の

 駐車場の端っこへ移動しましょ。」
「おお、そうやったな。」

 

リヤハッチにたくさん袋が載ったミカエル号を移動して、一度3人とも降りました。
誰からともなく開けたハッチへ移動して段ボール箱を組んでたくさんの袋を収めました。

 

「上に封まではせんでええやろ、とりあえず、な。」

箱を一つ後部座席に移して横倒ししてそれだけはガムテープで軽くフタしてミカエルさんは言いました。

「こないしとかんと後ろの窓の視界があらへんようになるなあと思てな。」

「いやあ気遣いありがとうです。」
「ここからとりあえずワープできるポイントまでは普通に道を走ってんか。

 ポイントあったらその時言うし。」

話している間松村さんはわたしとミカエル氏の肩を揉んでくれました。
不思議と息ははずんでいませんでした。

 

Spencer Davis Group - Keep On Running

https://www.youtube.com/watch?v=pK0DbgovWZo

 

 

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せいさん
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もう帰れなくなった西宮・阪神間を横浜のはずれから想う。
でもいつか戻って暮らしたかった。
その望みはなくなりました。

そういう者です。
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