阪急沿線文学散歩

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堂島のパボーニで「味いちもんめ」の倉田よしみ 漫画・イラスト原画展

「味いちもんめ」の倉田よしみ 漫画・イラスト原画展が、大阪市北区堂島の「カーサ・ラ・パボーニ」にて開催中です。

期間:2017年5月16日(火)〜6月9日(金)


倉田よしみ氏は、ちばてつやのアシスタントを経て、1978年、「週刊少年サンデー」に掲載の『萌え出ずる…』でデビュー。

86年から「味いちもんめ」シリーズを漫画誌で連載、現在は「味いちもんめ〜にっぽん食紀行〜」を手がけられ、2013年から京都造形芸術大マンガ学科教授。神奈川県にお住まいとのことですが、大手前大学専任教授も務められており、西宮にも来られるとのこと。パボーニでお会いしてお話させていただきましたが、気取らない大変親しみの持てる方でした。





 京都新聞の「知と感性の異種格闘技」というコラムに、倉田よしみ氏と料亭「木乃婦」社長の高橋拓児氏との対談が掲載されていました。

そこで夢を持つ若者を導き、技術を伝える責任について、次のように述べられていました。

<倉田 40年以上前にちばてつや先生のところでアシスタントをしましたが、当時は誰も教えてくれず、見よう見まねで覚えた。>


<倉田 漫画制作を学ぶ学生も静かな子が多い。見えないところで努力すればもっとうまくなるのにと思うこともあります。今の漫画界は若い人を育てる体制ではなく、ある程度仕事ができる人を集める。僕がアシスタントの時代は周りを見て一つ一つ仕事を覚える余裕もあった。背景などを描く中で、これだけはほかの人に負けないようにと技術を磨いた。>


<倉田 うちは4人のアシスタントがいて、1回16ページを隔週で雑誌に連載中です。朝方まで描き続ける日々ですが、アドレナリンが出るのか、ずっと書いていたい気持ちになる。ペン先や鉛筆など道具にもこだわります。細部に完璧さを求めるので、完成はいつも締め切り間際。20時間以上起きていることもあり、息抜きにみんなで食事に行くこともある。>

一流の漫画家への道の厳しさが伝わってくる対談でした。


でも倉田教授の授業は学生には人気があるとのこと。人柄からでしょうか。





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ひぐちともこさんの絵本『4こうねんのぼく』

 2017年のパボーニ・カレンダーの9月は絵本作家ひぐちともこさんの「来来世世」。

バスタブは海を意味しているそうです。


 彼女の執筆した絵本の一冊に『4こうねんのぼく』があります。

今年の7月にNHK「てれび絵本」でも清水圭さんの語りで紹介された作品です。

 小学校低学年の男の子とその弟、そしてお父さんの話で、
「せんせいあのな、ぼく ちゃんとしゅくだいやったんやで」という書き出しで始まります。

 星の観察が宿題に出されていたた主人公は、おとうさんの給料日の晩、家族で星を見に行きます。
 その日、先生から星の光が届くまでに実は、何年も時間がかかるのだと教えてもらった男の子は、そこでタイムマシーンのような発想がわくのです。

4光年離れた星に瞬間移動すれば、その星から地球を見ると4年前の地球が見えるというわけです。

 最後まで読んでいくと、底抜けに明るく見えるこの家族は、実は数年前にお母さんを失っているのだということがわかり、つぎのフレーズを読んでいると胸が熱くなります。
<ちきゅうの にっぽんの ぼくのいえをみたらな、そしたらな、きっとおかあちゃんがみえるな。おかあちゃんが、せんたくほしてるのが みえるんやな。おかあちゃんが、ごはんつくってるのが、みえるんやな>

 作者のひぐちともこさんにお話を伺うことができました。
この絵本は、ひぐちさんのお子さんが小学生の時、お母さんを亡くした友達がいて、どんな話をしてあげたらいいかと考えて書いた作品とのこと。そして、どうしても関西弁でしか伝えられなかったと、お話しされていました。
それにしても、面白い着想です。

父親が涙する絵本にランキングされているそうです。


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2017年のパボーニ・カレンダー

 2017年のカーサ・ラ・のカレンダーができあがり、見せていただきました。

http://www.sutv.zaq.ne.jp/pavoni/

1月の絵は、村上征生さんの「バスストップの子供たち」。

 
 雪が降る中、赤い校舎の前で、バスを待つ子供たち。冬の寒さを忘れる温かさが伝わってきます。

 
 村上征生さんは『パスタの日記』など絵本も書かれています。
 
 絵本と言えば、9月のひぐちともこさんも、『あの子』という絵本を書かれています。


9月の絵の題は「来来世世(らいらいせせ)」。難解な題ですが、楽しい絵です。

10月の絵は、安田泰幸さんの「大丸百貨店 大阪心斎橋店」。

大阪大空襲にさらされながらも、焼け残っていたヴォーリズのビルです。
現在リニューアル工事中ですが、いったいどのような姿に変貌するのでしょう。

安田さんは、神戸の魅力を絵と文で余すことなく描いたという『神戸・街ものがたり』を著されていて、私の神戸の街歩きの参考図書となっています。

 私のいちばんのお気に入りは3月の三木衛さんの「爛漫の夙川」。

少しデフォルメされていますが、阪急甲陽線の夙川鉄橋の風景です。原画を譲ってもらうことにしました。

 最後に、「大石輝一と三田アート・ガーデン」と題した拙文を掲載していただきました。

大石輝一は、こんなアート・ガーデンを三田に創っていたのです。



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良き昭和の匂いがする素敵な喫茶店「カーサ・ラ・パボーニ」

 表題は「味の手帖」11月号に「ソムリエの呟き」として渋谷康弘氏が寄稿された記事からです。


<やっと見つけた!その店を探し当て、心が躍った。大阪の北新地をしばらく歩き、ブルーの入り口の扉を開けそっと中に入った。店内のカウンター席に腰掛け、ハイボールを注文。ゆっくり店内を見回してみると、そこには良き昭和の匂いがした。ここに来た理由は、ある日、新聞のコラムを読み掲載されていた喫茶店「ルージュ・ラ・パボーニ」を知ったのがきっかけである。>
このように始まるソムリエの呟き。

 
きっかけとなったコラムとは、以前にもご紹介しましたが、2016/3/23付日経新聞夕刊の「あすへの話題」の多摩美術大学学長・建畠晢氏による「一人で行く喫茶店」。
http://nishinomiya.areablog.jp/blog/1000061501/p11482055c.html
<日に三回は喫茶店に通っているし、昔話をすれば、阪神間の夙川に、地上に存在していることが奇跡ともいうべき美しい喫茶店があって、そこに行くだけのために東京から新幹線で日帰りしていたくらいなのである。>

 その記事からあれこれ調べて、移転先を知り訪ねられたとのこと。

ダンディな渋谷氏がブルーの入り口の扉を開けて入って来られた時、偶然私も店におり、お話を伺うことができました。

 その時、ワイン・イン・スタイル(株)社長となられるまでの華麗なる経歴もお聞きしたのですが、彼の人生そのものが物語になりそうです。

 そう思って検索すると、著作も多くあり、
『料理の仕事がしたい』 (岩波ジュニア新書)では、レストラン経営されていた時のお話でしょうか、「東京で一番のレストランを作りたい 」 というエッセイを書かれています。
 
 2001年には、「今、人気上昇中の若手ソムリエが描く、食卓に集う人々の人生とワインをめぐるハートウォーミングな掌編小説集」として『男と女のワインの15の物語』が小学館より出版されていました。


ダンディでお話も上手な渋谷氏でしたが、文筆家だとは存じ上げませんでした。これから読ませていただきます。



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地上に存在していることが奇跡ともいうべき美しい喫茶店

 先日パボーニに行くと、しばらくして一人の紳士が入ってきました。


 お話を伺うと、東京のワイン輸入会社の社長で、日経新聞のコラムを読まれて感銘し、その記事から調べて、夙川のパボーニが堂島のカーサ・ラ・パボーニに引き継がれていることを知り来られたそうです。
 その記事とは、以前にもご紹介しましたが、2016/3/23付日経新聞夕刊のコラム「あすへの話題」の多摩美術大学学長・建畠晢氏による「一人で行く喫茶店」。
<日に三回は喫茶店に通っているし、昔話をすれば、阪神間の夙川に、地上に存在していることが奇跡ともいうべき美しい喫茶店があって、そこに行くだけのために東京から新幹線で日帰りしていたくらいなのである。>


 3月23日の日経新聞記事は評判となり、建畠晢氏は続いて3月30日付の「あすへの話題」で、再び「孔雀の口紅」と題して夙川にあった喫茶店ラ・パボーニについて詳しく述べられていました。
 http://nishinomiya.areablog.jp/blog/1000061501/p11374472c.htm

 ところで、多摩美術大学学長・建畠晢氏の略歴を調べると、「多摩美術大学芸術学科教授、国立国際美術館長、京都市立芸術大学学長などを経て、2015年より多摩美術大学学長。2011年〜埼玉県立近代美術館長。専門は近現代美術。」とのこと。

著書には、詩集『余白のランナー』(1991年、思潮社)詩集『零度の犬』2004年、書肆山田エッセイ集『ダブリンの緑』(2005年、五柳書院)詩集『死語のレッスン』(2013年、思潮社)など、美術評論だけではなく、多くの詩集を著されており、詩人でもありました。
その感性が、あのような名文を記させたのでしょう。

 更に調べていると、今年の日経新聞のコラムに先立つこと4年、建畠晢氏がまだ京都市立芸術大学学長の時代、2012年2月1日の京都新聞に「一人で過ごす喫茶店」と題して、やはり奇跡の喫茶店として夙川のパボーニの紹介をされていました。

<西宮の夙川にあったルージュ・ラ・パボーニもその一つで、東京にいた頃は、この店に行くためだけに年に何度かは新幹線で日帰りしたものでした。戦前、夙川に住んでいた母が、パボーニの経営者の画家夫妻に可愛がられて入りびたりになっていたと聞かされたのがきっかけですが、軍国主義が支配する中での反戦自由主義者の溜まり場でもあったという伝説的な店は、残念ながら阪神大震災の後に取り壊されてしまいまいした。あのようにも美しい喫茶店が現実に存在していたということ自体、いま思い返せば奇跡のようですらあります。>
 野坂昭如が、戦時中、唯一開いていた喫茶店と述べていたことも真実だったのでしょう。

それにしても、建畠晢氏の文章は、東京からでも探して訪れたくなるほどの魅力ある文書でした。


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「暮らしの手帖」第一回商品試験はソックスでした!

 「暮らしの手帖」のバックナンバーを調べていると、「暮らしの手帖研究室」として初めて登場したのは昭和28年、第20号の「日本品と外国品をくらべる 石けん」でした。


『暮しの手帖』の柱のひとつ、「商品テスト(日用品のテスト報告)」がスタートしたのは、昭和29年、第26号から。「とと姉ちゃん」では歯ブラシの商品テストにあたるものでしょうか。

その目次には「日用品のテスト報告その1…暮らしの手帖研究室」と書かれています。

 131頁を見てみると、「実際に使ってみてどうだったか −日用品のテスト報告その1」となっています。

 表題は「ソックスと私たちの暮らし」靴下はアナのあくものか

<考えてみると、昔は、と言っても三十年ほど前までのことなのだが、靴下は日本のゼイタク品だった。洋服という服装をして外へ出掛ける男性が、靴をはくために、やむを得ず使わなければならないアクセサリーだった。
 男たちは、役所や会社へ勤めて月給をもらうためには、やむを得ず窮屈な洋服を着、靴下をはいて、足になじまない靴で町を歩かなければならなかったのだ。>
大正の末から昭和の初めの洋服感がよくわかります。


「暮らしの手帖」バックナンバーは懐かしい昭和の世相がよくわかります。


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『美しい暮らしの手帖』ゆかたで作る

『美しい暮らしの手帖』のバックナンバーを見せていただいていると、第四号に花森安治の「ゆかたで作る」のこんなイラストを見つけました。

今でも通用するようなデザインです。


「とと姉ちゃん」にも直線裁ちで再現されていた洋服そのものですね。

第四号の表紙も当然花森安治によるものです。



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『美しい暮らしの手帖』のカバアは「とと姉ちゃん」でも題材になっていた

『美しい暮らしの手帖』が痛まないようにと、読者のために表紙のカバーが付録につきだしたのは第7号からでした。




 ところでこのカバーを題材にして、とと姉ちゃんでは東堂先生が、雑誌青鞜にオリジナルカバーをかけていたシーンがありました。
 それは帝国百貨店の包装紙で、彼女がきれいな包装紙をもらった時はカバーにすることにしていると言うのです。


テレビの画面に映されたカバーの図柄も『美しい暮らしの手帖』のカバーによく似ていました。脚本担当の西田征史氏がこんな風にアレンジされるとは、さすがです。

以下ご参考
東堂「私にではなくらいてうに感謝して下さい、そしてこの青鞜に」
と、カバーがかかった雑誌を掲げる
常子「先生」
東堂「どうしました?」
常子「そのカバー」
東堂「これですか?こうしておくと大事な本が汚れませんから
見場もよいでしょう?」
常子「はい、少しだけ見せて頂いてもよろしいですか?」
東堂「どうぞ」と、常子に雑誌を渡す
綾「この紙、元は帝国百貨店の包み紙ですね?」
東堂「そう!きれいな包装紙を頂いた時は工夫して本のカバーにしているの」
常子「へえ〜」
東堂「私のささやかな心がけです」
東堂を見る常子
綾「いいですね、私もやってみようかしら?」
東堂「是非やってごらんなさい、ささやかですがこうした心がけが
小さな幸せを生むと私は思っています
そんな瞬間を大事にしていく人でありたいと
…おっと、おしゃべりは嫌われますね」


『美しい暮らしの手帖』のバックナンバーは、カバアとともに、全て堂島のカーサ・ラ・パボー二に揃っています。


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おはようございます。
今年の『下鴨納涼古本まつり』では、例年にも増して、「暮しの手帖」をよく見かけたような気がします。
そして、熱心に誌面を読んでいる「古本女子」のみなさんの姿も!
やはり、これも朝ドラ効果なんでしょうね。

[ 373 ] 2016/08/14 4:43:39 [ 削除 ] [ 通報 ]

373さん 古本まつり、もう行ってこられたのですか。私も今年は行ってみようと思います。16日まででしたね。

[ seitaro ] 2016/08/14 11:25:24 [ 削除 ] [ 通報 ]

ご無沙汰致しております。
私は初日に参りましたが、暮しの手帖と平塚雷鳥を探しておられる若い方を何人かお見かけ致しました。朝ドラ効果ですね。

[ アップルビー ] 2016/08/14 19:02:26 [ 削除 ] [ 通報 ]

アップルビーさんお久しぶりでございます。皆さま古本まつりにいらっしゃっていたとは。朝ドラもマッサン以来、市場に大きな影響を与えているようですが、いい作品が見直されるのは嬉しいことです。

[ seitaro ] 2016/08/14 22:06:45 [ 削除 ] [ 通報 ]

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阪神間文学に見る 大戦下の街と暮らし

8月15日まで、芦屋市民センター3階展示場で、
「阪神間文学に見る 大戦下の街と暮らし」と題した展示を行っています。

 遠藤周作、野坂昭如、小松左京、須賀敦子、黒田征太郎、手嶋龍一、村上春樹などの作品とともに、日ごろは見ることのできない、夙川カトリック教会を創設したブスケ神父の肖像画も展示されています。

8月6日(土)午後2時〜午後3時まで、芦屋市民センター203室でブスケ神父の肖像画を保管されている五島真理為様による講演「ブスケ神父と大石輝一の友情」と題した講演が開催されます。
(定員60名 先着順に受付 入場無料)
ご興味ある方はご参加ください。
阪急芦屋駅、阪神芦屋駅より徒歩約8分です。



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『美しい暮らしの手帖』創刊号と大橋鎭子さんのあとがき


 NHKの朝の連続テレビ小説「とと姉ちゃん」が好調ですが、モデルの大橋鎭子さんが花森編集長の元で創刊した『美しい暮しの手帖』の第一号が、パボーニに保存されており、見せていただきました。

表紙のデザインは花森安治。

冒頭の「これは あなたの手帖です……」と始まる花森安治の文章。


目次の最後には、次のスタッフ名が記されていました。


表紙 花森安治
写真 松本政利 林重男
装画 花森安治 草加やす子
編集 大橋鎮子 中野家子 横山晴子 大橋芳子 清水洋子
進行 横山啓一

「とと姉ちゃん」の次女小橋鞠子のモデルとなったのは横山(旧姓大橋)晴子、三女小橋美子のモデルが大橋芳子で、いずれも創刊号の編集者に名を連ねています。

第一号の「あとがき」は、(S)という署名があり、大橋鎮子さんによるものでしょう。


次のように始まります。
<ふりかえってみると、こんなに、たのしい思いで本を作ったことは、これまで一どもありませんでした。いく晩も、みんなで夜明かしをしましたし、そうでない日も、新橋の駅に、十時から早くつくことは、一日もないくらい、忙しい日が続きましたけれど一頁ずつ一頁ずつ出来上がってゆく、うれしさに、すこしも、つらいなどとは、思ったこともありませんでした。
 この本は、けれども、きっとそんなに売れないだろうと思います。私たちは貧乏ですから、売れないと困りますけど、それどころか、何十萬も、何百萬も売れたら、どんなにうれしいだろうと思いますけれどいまの世の中に、何十萬も売れるためには私たちの、したくないこと、いやなことをしなければならないのです。この雑誌を、はじめるについては、どうすれば売れるかということについて、いろいろのひとにいろいろのことを教えていただきました。私たちには出来ないこと、どうしてもしたくないことばかりでした。 いいじゃないの、数はすくないかも知れないけど、きっと私たちの、この気もちをわかってもらえるひとはある。決して、まけおしみではなく、みんな、こころから、そう思って作りはじめました。でも、ほんとは、売れなくて、どの号も、どの号も損ばかりしていては、つぶれてしまうでしよう。おねがいします、どうか一冊でも、よけいに、お友だちにも、すすめて下さいませ。>

編集者のポリシーをこれほどまでに率直に語った「あとがき」はないでしょう。
創作された「とと姉ちゃん」の小橋常子と実在の大橋鎭子のイメージが重なってしまいます。


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阪急沿線の街にゆかりのある小説や随筆、アニメの舞台を訪ね、当時の景色や登場人物に思いを馳せるセンチメンタル散歩です。震災以降、街並みは大きく変わりましたが、歴史ある美しい景観を守る一助になればと思っています。

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