阪急沿線文学散歩

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BAR THE TIMEの夜桜見物(成田一徹『カウンターの中から』)

 阪急苦楽園口駅前のBAR THE TIMEに夜桜見物に立ち寄りました。


ザ・タイムについては成田一徹さんが『カウンターの中から』で紹介されています。


<阪神・淡路大震災の後、三宮から移転してしばらくは、知る人ぞ知る隠れ家的存在の『ザ・タイム』であったが、今や全国にその名をとどろかす名バーとなった。春には桜を間近に花見を楽しめるバーとして人気、今年も4月初旬の数日、花見の宴で盛り上がった。>

18時に開店されるバーです。
 私も夜桜にあわせて、成田さんが味あわれたカクテル「花見月」をオーダー。

<ポーランド産のズブロッカと桜のリキュールを使ったフローズンスタイルのカクテルだ。口中が一瞬凍えて、やがて舌先に春の気配が残る。ふと15年前の主の不安な心持ちと重ねてみる。廃墟の三宮を後に、この地に活路を求めた春まだ浅い頃。しかし桜とのえにしはこのとき始まったのだ。>


 店の奥の壁には、成田さんが開店して間もない頃訪れて、作られたアイスペールに桜の花びらが浮かぶ切り絵の原画が掲げられていました。その絵については、ご自身が次のように説明されています。
<12年前、窓一面に広がる見事なソメイヨシノを絵の中に入れたくて腐心したのを思い出す。バーの風景と外の桜を一つの画面に入れるのは無理と悟り、苦肉の策でアイスペールの中に花びらを浮かべたのだ。>

 


19時になると奥様が店の中から電源を入れられ、ソメイヨシノがライトアップされました。


 




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成田一徹 | コメント( 2 ) | トラックバック( 0)

お花の時期はなかなか混んでますね。

[ ふく ] 2015/04/04 20:11:03 [ 削除 ] [ 通報 ]

昨日伺ったのですが、昼間天気が悪かったせいか、窓際のテーブルがあいており、ゆっくりお花見させていただきました。

[ seitaro ] 2015/04/04 20:29:04 [ 削除 ] [ 通報 ]

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成田一徹「神戸の残り香」で紹介されていたウンベルト・サバ詩集と須賀敦子

 2006年に出版された「神戸の残り香」のページをめくっていますと、中央区下山手通りの古書店の切り絵があり、「母と下った思い出坂」という副題とともに、次のような説明文がありました。


<県公館へ至るゆるやかな坂道にある小さな古書展。入り口付近でウンベルト・サバ詩集を見つけた。古書店の主でもあったイタリアの高名な詩人。巻末に訳者・須賀敦子の文が添えられている、詩人の故里を訪ね歩いた想いの深い紀行文である。とある坂道、訳者の遠い記憶が重なる美しい一節がある。目を閉じれば「それはそのまま、むかし母の袖につかまって降りた神戸の坂道だった。」>


 20世紀最大のイタリアの詩人といわれたトリエステ生まれのサバ、不遇な幼年時代を送り、中等教育を修了せぬままに就職しましたが、第一次大戦後、晩年にいたるまで郷里で古書店を経営していたそうです。


 みすす書房から出版された須賀敦子訳「ウンベルト・サバ詩集」を読ませていただきました。平明な口語による自伝的・物語的要素を素材とした作品集でした。
この詩集の巻末に、「トリエステの坂道」(抄)と題した須賀敦子さんがサバの足跡を訪ねたトリエステの紀行文が載せられています。
<なぜ自分はこんなにながいあいだ、サバにこだわり続けているのか。二十年前の六月の夜、息をひきとった夫の記憶を、彼と一緒に読んだこの詩人にいまもまだ重ねようとしているのか。>と始まり、ペッピーノの思い出が強く重なるようです。
 そして須賀さんの幼い日の思い出、まるで詩のような情景です。
<丘から眺めた屋根の連なりにはまるで童話の世界のような美しさがあったが、坂を降りながら近くで見る家々は予想外に貧しげで古びていていた。裏通りをえらんで歩いていたせいもあっただろう。…………軽く目を閉じさえすれば、それはそのまま、むかし母の袖につかまって降りた神戸の坂道だった。母の下駄の音と、爪先に力を入れて歩いていた靴の感触。西洋館のかげから、はずむように視界にとびこんできた青い海の切れはし。>
 小松益喜画文帖の「坂上からの神戸」には遠くに神戸港が描かれていますが、現在の北野町の坂の上からの景色、

歩き回っても海の切れはしはビルの陰となり残念ながら写真におさめることはできませんでした。


 



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成田一徹「神戸の残り香」に堀辰雄が住みたいと言った家が描かれていました。

 今年の8月に切り絵作家・成田一徹の絵と文による「新・神戸の残り香」が発刊されました。神戸新聞夕刊紙上に2010年より12年まで連載した作品に、同時期の作品を加えたものだそうです。

そして先月末に閉店した神戸の海文堂書店では、最後の展覧会として9月27日まで、成田一徹の切り絵展「新・神戸の残り香」が開催され大盛況でした。


 更に2006年に出版された「神戸の残り香」を見ていると、

先日ご紹介した堀辰雄の「旅の絵」で一緒に神戸の街を散策していた竹中郁が、後に「この家だよ、堀君がまじめな顔をしてこの家僕に貸してくれないかなあといって、しばらく立って眺めていたのは」と若林慧に語った家とハンター邸の塀が見事な構図で描かれた切り絵がありました。


 伝統的建造物に指定されている家の写真はハンター邸の塀のある位置から撮ったのですが、切り絵のような構図にしておけばよかったと。


切り絵には「栄華物語る石塀」と題され、洋館に住むY氏のお話も掲載されていました。
<今からは想像もできない風景ですよ。細々としてすっかり雑駁になった北野の町を見渡しYさんは言った。七十年間異人館に住み続ける。明治末期建設の伝統的建造物(非公開)。
英国人設計の木造二階建て寄せ棟瓦葺き、ベイウインドー、よろい戸のコロニアルスタイルである。>
 昭和7年堀辰雄がこの家を見て、本気で住みたいと言われたことをY氏はご存知でしょうか。
 堂島カーサ・ラ・パボーニでは現在伊藤キヨエ展を開催中ですが、


来年1月に成田一徹氏が各地のバーの風景を切り絵にした作品展を開催するそうです。
http://www.sutv.zaq.ne.jp/pavoni/concept.html



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成田一徹 | コメント( 2 ) | トラックバック( 0)

おはようございます。
成田さんとは、北野や大阪・北新地、十三などで偶然出会って、一献かさねつつ歓談の一夕をすごさせていただきました。
シャイで心優しいかた。故郷の神戸のみならず、ブラッドベリをこよなく愛する一面ももっておられました。

[ 373 ] 2013/10/08 6:43:24 [ 削除 ] [ 通報 ]

Seitaroさま おはようございます。
成田一徹氏。朝日夕刊に連載されていましたね。「シャンパングラス」がとてもクールで好きでした。昨年10月15日のふくさまの記事に三重県立美術館の記事で話題になっていました。享年63歳とは早すぎます。東京でも回顧展が開催されるようでしたら是非伺いたいと思います。

[ ロックウェル ] 2013/10/08 10:53:02 [ 削除 ] [ 通報 ]

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阪急沿線の街にゆかりのある小説や随筆、アニメの舞台を訪ね、当時の景色や登場人物に思いを馳せるセンチメンタル散歩です。震災以降、街並みは大きく変わりましたが、歴史ある美しい景観を守る一助になればと思っています。

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