阪急沿線文学散歩

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神戸に生まれ神戸を愛した作家陳舜臣さん逝く

 昨日のニュースで神戸をこよなく愛した作家陳舜臣さんが亡くなられたことを知りました。

 


 陳俊仁を主人公とする『青雲の軸』は昭和初期の神戸を舞台とした自伝的小説でした。
 もう一冊、神戸散策に使いたかったのが、陳さんの『神戸ものがたり』です。


まえがきでは次のように述べられています。
―人間は誰でも他人に自分を理解してほしいと思う。快適に生きるためには、そうした努力は必要なのだ。神戸も理解されることを望んでいる。私の文章がそれをはたせたとは思わないが、すくなくともそのつもりで書いた。―


 亡くなられたのは午前五時四十六分だったそうですが、心を痛められた阪神淡路大震災のあと、神戸新聞に寄稿した『神戸よ』の全文が、『神戸ものがたり』に転載されています。
<我が愛する神戸のまちが、壊滅に瀕するのを、私は不幸にして三たび、この目で見た。水害、戦災、そしてこのたびの地震である。大地が揺らぐという、激しい地震が、三つの災厄のなかで最も衝撃的であった。
 私たちはほとんど茫然自失のなかにいる。
 それでも、人々は動いている。このまちを生き返らせるために、けんめいに動いている。亡びかけたまちは、生き返れという呼びかけに、けんめいに答えようとしている。地の底から、声をふりしぼって、答えようとしている。水害でも戦災でも、私たちはその声を聞いた。五十年以上も前の声だ。いまきこえるのは、いまの轟音である。耳を覆うばかりの声だ。それに耳を傾けよう。そしてその声に和して、再建の誓いを胸から胸に伝えよう。>

 


最後は次のように結ばれています。
<神戸市民の皆さま、神戸は亡びない。新しい神戸は、一部の人が夢みた神戸ではないかもしれない。しかし、もっとかがやかしいまちであるはずだ。人間らしい、あたたかみのあるまち。自然が溢れ、ゆっくり流れおりる美わしの神戸よ。そんな神戸を、私たちは胸に抱きしめる。>


 推理小説のほうはあまり読んでいませんが、十八史略は私の愛読書でした。


昨年オープンした陳舜臣アジア文藝館も伺ってみたい場所です。

 

心より、ご冥福をお祈りいたします。




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阪急沿線の街にゆかりのある小説や随筆、アニメの舞台を訪ね、当時の景色や登場人物に思いを馳せるセンチメンタル散歩です。震災以降、街並みは大きく変わりましたが、歴史ある美しい景観を守る一助になればと思っています。

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