阪急沿線文学散歩

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田辺聖子さんの西宮礼賛(『わが街の歳月』より)

 田辺聖子さんは西宮の印象について、『わが街の歳月』西宮・芦屋で次のように述べられています。


<西宮は、妹夫婦が一時住んでいたり、働いていたりして、私には馴染みのある町であった。ここは西鶴の小説にも出てくるえべっさんのお宮もあり、広田神社や甲山大師もあって、由緒のある町である。>

 

 田辺聖子さんは満池谷墓地のキリスト教区の雰囲気が好きだったそうで、次のように述べられています。
<ところが外人墓地は明るくてモダンでエキゾチックで、全く様相がちがう、若者たちの心を惹きつけるムードがあった。神戸の外人墓地でデートする若者がふえたのも、最もなことであったのだ。
 西宮の満池谷墓地の奥も、そうなっていたので、私は明るくてひろびろした風趣が気にいっていた。>


満池谷墓地のキリスト教区にデートに行った様子は、小説『窓を開けますか?』に描かれていました。
http://nishinomiya.areablog.jp/blog/1000061501/p10943635c.html

 

 キリスト教区の中心には夙川カトリック教会の墓地があり、ブスケ神父も眠られています。

<私は今ほど出不精ではなかったし、時間もたっぷりあったので、バスや電車を乗り換えてあちこち探検に出かけた。尼崎から西宮はおとなりの町なのに、感じはまったくちがう。西宮は山地にかけて拡がる町なので、夙川の奥へはいると山坂を越え、林をくぐりぬけて美しい景観となり、気候もちがってくる。また反対に南へ南へとさがると海にゆきあたり、西宮のヨットハーバーにゆきあたる。
 山地と海の双方を併せ持つところは、小型神戸のようで(それは芦屋もそうなのであるが)、阪神間都市というのはじつに美しい。
 町じたいが美しい球のようで、球をつらねた首飾りが、この海沿いの町々である。
 ヨソの町を知らないのだから、断言はできないが、人間の住む場所としては、阪神間はいちばんいい場所の中へはいるのではないだろうか。気候はおだやかで、風光あくまで明るく、食物が美味しく、交通は便利である。>


田辺聖子さんに褒めちぎっていただいた西宮、この「美しい珠」とまで言われた風光はいつまで続くことか心配になってきます。




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田辺聖子 | コメント( 2 ) | トラックバック( 0)

続いて下さい。様相に変化はあろうとも、どこかのイナカモンがぶち壊しに来ようと、根幹の魂の部分には指を触れさせずに西宮のままでいて下さい。確率が3千万分の1であろうとも私は必ず西宮に戻るから、それまで西宮のままでいて下さい。

[ せいさん ] 2015/07/26 21:16:59 [ 削除 ] [ 通報 ]

せいさんの気持ちは充分伝わってきます。

[ seitaro ] 2015/07/27 7:27:09 [ 削除 ] [ 通報 ]

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阪急沿線の街にゆかりのある小説や随筆、アニメの舞台を訪ね、当時の景色や登場人物に思いを馳せるセンチメンタル散歩です。震災以降、街並みは大きく変わりましたが、歴史ある美しい景観を守る一助になればと思っています。

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