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【西宮】河内厚郎著『阪神間近代文学論 柔らかい個人主義の系譜』と夙川の風景【西宮ブログ】

阪急沿線文学散歩

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河内厚郎著『阪神間近代文学論 柔らかい個人主義の系譜』と夙川の風景

 10月に関西学院大学出版会から、西宮文学案内でもお馴染の文化プロデューサー河内厚郎氏による『阪神間近代文学論 柔らかい個人主義の系譜』が刊行されました。

 早速読ませていただくと、阪神間の特徴的な文化の生い立ち、それを背景にした阪神間近代文学論が繰り広げられ、明治以降現代に至るまでの、ほとんどの阪神間の文学作品が網羅されています。阪神間に住む小説好きの人や、阪神間モダニズムと呼ばれる阪神間の近代文化の発祥に興味のある方には必読の書といえるでしょう。


 阪神間の風土をこよなく愛する河内氏だからこそ、このような作品を著せたのだと思います。東京人に「生活文化の側面では阪神間が日本でトップクラスだ」と熱く語っても、言葉だけでは通じないと嘆いておられますが、実際に東京から阪神間に移って来た人は「日本にこんなところがあったのかと、小さからぬ驚きを見せていたものだ。」と述べられています。
「まえがき」では、東京生まれで東京育ちのクリエイティブ・ディレクターさとなお氏の感想が紹介されています。
<ボクが関西に来たのは1985年。それから約14年間住んでいたのだが、その間、苦楽園―夙川―芦屋と阪神間を渡り歩いた。最初に住む場所を決めたときはほとんど衝撃的だった。阪神高速を走っていて、夕暮れの六甲山の中腹に家の灯りがキラキラと光るのを見て、「なんて美しいところだろう」と思わず高速を降り、最初に目についた夙川の不動産屋でいきなり物件を見せてもらって即決したのである。あまりの環境の良さに一目惚れしたのだ。初めて夙川沿いの松並木を車で走ったときの感想は今でも覚えている。>


 夙川の四季折々の風景は、幾多の文学作品に登場し、松並木の夙川オアシスロード、夙川桜道は今も西宮市民にとって憩いの場となっています。

 村上春樹『ランゲルハンス島の午後』に登場する葭原(あしはら)橋、宮本輝『錦繍』の主人公亜紀の家もこの近くにありました。

 

『阪神間近代文学論』の表紙に使われ、1959年版映画「細雪」にも登場するこほろぎ橋。

 

 やはり夙川が最も美しくなるのは四月の桜のシーズン。田中康夫氏は「これだけ東京好きなボクでも、真剣に夙川近辺を永住の地にしようかと迷った時期がある」と述べており、大井出橋付近に実家がある女子大生を主人公にした『オン・ハピネス』では、美しい夙川の風景がしばしば登場します。

 

 五月になると鯉のぼりが泳ぐ夙川。谷川流のライト・ノベル『涼宮ハルヒの憂鬱』にも夙川公園が舞台として登場します。

 


 甲山森林公園からの景色です。眼下に見えるのはヴォーリズ建築の関西学院大学。かんべむさし『上ヶ原爆笑大学』、玉岡かおる『夢食い魚のブルー・グッドバイ』の舞台にもなっています。

 

 『阪神間近代文学論』の巻末に掲載されている「阪神近代文学史年表」は文学散歩の貴重な資料となります。西宮ブログ『阪急沿線文学散歩』でもその殆んどの作品を網羅しておりますので、ご参照ください。


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阪急沿線の街にゆかりのある小説や随筆、アニメの舞台を訪ね、当時の景色や登場人物に思いを馳せるセンチメンタル散歩です。震災以降、街並みは大きく変わりましたが、歴史ある美しい景観を守る一助になればと思っています。

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