阪急沿線文学散歩

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遠藤周作にとってゴッド・マザーのようなロビンヌ夫人

 3月にNHK−BSプレミアムカフェで「ルーアンの丘から 遠藤周作・フランスの青春」が放映されました。


 その中で、遠藤周作がフランスに到着した最初の夏に、本当の家族のように受け入れてもらい、お世話になったロビンヌ家の写真や兄弟のお話が収録されていました。
 遠藤周作は当時の体験を『赤ゲットの仏蘭西旅行』と題して、「カトリックダイジェスト」に連載し、その後PHP研究所より『ルーアンの丘』と題して単行本として出版されました。


 もちろん、その中には体験し、思索した重たい話も多く書かれているのですが、遠藤周作のサービス精神か、はたまた「いたずら坊主」の本性が隠せないのか、ユーモアたっぷりの部分もあります。
「ロビンヌ家滞在日記より」と題した章からです。
<ジャンヌ・ダルクで名もたかき、フランスはルーアンの都市にロビンヌとよべる家庭あり。さることより一夏日本の青年をあずかることになりしがこの青年、生まれつき粗忽の小僧なれば、夫人いとど驚き給いて、あるいは叱り、あるいはなだめ、フランス典雅の道をひたすら教え給う。小僧、半泣きづらにも学べども、才あしければ効あきらかならず。暮つ方など、窓べに靠れ、日本を思いて涙ぐみおるも、いとど憐れなり。(異本枕草子)>
などとユーモアを交えて当時の心境を枕草子風に語っているのです。

ロビンヌ家の建物も残されていました。

この三階の部屋で遠藤は過ごしたそうです、

 遠藤がフランスに到着した時、「ポール、今日から、あなたをポールと呼びますよ。今日から、私を本当のママと思って下さい。私たちの家はあなたの家であり、子供たちはあなたの兄弟です」と家族として受け入れてくれたロビンヌ夫人。

遠藤周作の後ろに立つのがロビンヌ夫妻です。

 戦後間もなく、まだ戦災の爪痕が生々しかったフランスで、このように暖かく日本人を迎え入れてくれた家族があったことは、驚きです。

 長男のギイや三男のアランが、遠藤周作が真面目に努力していたことや、当時の様子を楽しそうに話していたのが印象的でした。

写真は笑いをこらえながら遠藤の思い出を語る三男のアラン。右側は長男のギイ。



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阪急沿線の街にゆかりのある小説や随筆、アニメの舞台を訪ね、当時の景色や登場人物に思いを馳せるセンチメンタル散歩です。震災以降、街並みは大きく変わりましたが、歴史ある美しい景観を守る一助になればと思っています。

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