阪急沿線文学散歩

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西宮が『最後の晩ごはん』第7話のクライマックスシーンに登場

 椹野道流『最後の晩ごはん』第7話「黒猫と揚げたてドーナツ」では、五十嵐海里は里中李英に頼まれ、事故死した遺品整理を手伝うことになり、そこでオルガニート用のカードについていた黒猫の幽霊に気づきます。


 クライマックスシーンで、事故死した飼い主の山崎敦の霊と事故現場で海里とロイドは会話することになるのです。
<「現場は、市役所の近くだったよな。確かお寺の角を曲がった、やたらでっかい木が見えるあたり……」『楠でございましたよね』ポケットの中から、ロイドが情報を補足する。そうだっけ、と気のない返事をして、海里は少しスピードを落として辺りの景色をチェックした。なるほど、前方の対向車線側、道路から少し南に入ったところに、黒々と大木のシルエットが見えてくる。ちょうどそこでガードレールが切れていたので、海里は道路を右折して、スクーターを停めた。>

海里とロイドはスクーターで芦屋から国道2号線を東に走って来て、センターのガードレールが途切れる、上の写真の角を右に曲がるのです。

最初は市役所の近くの寺と楠から海清寺を想像したのですが、よく読むと事故が起こったのは茂松禅寺の角でした。

茂松禅寺も、その位置からわかるように元々は臨済宗東福寺派の六湛寺の一塔頭だったそうです。

<暴走した自動車が国道を外れて飛び込んだのが、この楠の大木がある禅寺沿いの脇道だった。寺の名前と、石垣の上にある白い塗り壁に見覚えがある。脇道沿いにある寺門の石造りの階段が、夜目にも明らかに欠けているのは、おそらく自動車がぶつかったせいだろう。>

楠の大木と茂松禅寺の寺門の階段です。
 もちろん、実際には事故は起こっていませんから、階段も欠けてはいません。

楠の根は道路まではみ出しているので、このような石垣で守られていました。元々はこの道も六湛寺の中だったのでしょう。

<何げなく通りの反対側を見た海里は、思わず「わあ」と声を漏らした。ニュースではそちら側の建物はあまり映っておらず、駐車場しか見えなかったのだが、そこは大きな病院だった。つまりタクトの飼い主である山崎敦は、病院の真ん前で、車に撥ねられて命を落としたといことになる。>

向かいにあるのは、兵庫県立西宮病院の大きなビルでした。

<背後を振り返れば、寺の立派な木製の扉は、固く閉ざされている。階段は石垣より内側に引っ込んで設えてあるので、階段に座れば、ひとまずは表通りからの視線は遮れそうだ。
「ここがまだ、いちばんマシだな」小声でそう囁くと、たちまち人間の姿になったロイドが、海里の隣に現れ、微妙な距離を空けて石段に腰を下ろした。>

この石段で、海里とロイドはオルガニートを鳴らし、山崎の霊を待つのです。

芦屋が主な舞台の『最後の晩ごはん』シリーズですが、7話目にしてようやく西宮が登場しました。




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阪急沿線の街にゆかりのある小説や随筆、アニメの舞台を訪ね、当時の景色や登場人物に思いを馳せるセンチメンタル散歩です。震災以降、街並みは大きく変わりましたが、歴史ある美しい景観を守る一助になればと思っています。

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