阪急沿線文学散歩

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村松友視『海猫屋の客』に登場する北一硝子の珈琲館

 海猫屋のマスターは自分の店ではなく、違った雰囲気を味わいたいのか他の店でもコーヒーを飲むようです。それは北一硝子三号館の美しいカフェ「北一ホール」。

<北一硝子……近ごろでは、アンノン族の人気を集め、毎日にぎわっているこんな場所に、小樽のすれっからしである自分が坐っていることを思うと、マスターは吹き出しそうになった。だが、じっと坐ってランプの炎を眺めていると、その炎の向こう側に自分でも知らない華やかな小樽が浮かんでくるような気がした。この建物は、海猫屋より大きい倉庫を改造したもので、さまざまなガラス工芸品を売っている。>

 この建物は木骨石造倉庫で、小樽軟石を使用していると説明されており、石造りの壁はイギリスの建造物を思い出させます。

 玄関を入って右手にマスターが坐っていた北一ホールがあります。

上の写真は正面が玄関で左手が北一ホールです。この通路にはは海岸まで続いていたという荷物運搬用のトロッコのレールが残されていました。

<暗い廊下をへだてた陳列場では、売り物のランプの光があらゆるガラス器具を浮き上がらせ、幻想的な景色をつくっている。マスターが坐っているのは、その隣にある珈琲館だ。入口の左手にチケット売り場があり、そこで買ったチケットをカウンターへさし出す。>

外人観光客用か入口の壁には写真入りのメニューが貼られ、自動券売機がありました。

<小樽の象徴のひとつである倉庫を利用しながら、海猫屋とはまったくちがった展開の仕方をしている北一硝子に、マスターは背中合わせの親近感をおぼえていた。同じ暗さでも、海猫屋とはちがう暗さだ……北一硝子の珈琲館でバロック音楽を聴きながら、マスターは冷めたコーヒーを啜った。そして、コーヒー・カップを持つ手をこわばらせ、ランプの炎の中を透かし見るようにした。マスターは、暗い世界の中に何かを発見したのか、そっと席を立って珈琲館を出て行った。>

167個の石油ランプがともる素晴らしい北一ホールでしたが、玄関入ってすぐ左手にも天井一面にステンドグラスが広がるCafé Bar 九番倉がありましたので、コーヒーはそちらでいただくことにしました。


白玉とアイスクリームの組み合わせのセットでしたが、美味しくいただきました。

美しい小樽の夜を満喫して帰らせていただきました。




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阪急沿線の街にゆかりのある小説や随筆、アニメの舞台を訪ね、当時の景色や登場人物に思いを馳せるセンチメンタル散歩です。震災以降、街並みは大きく変わりましたが、歴史ある美しい景観を守る一助になればと思っています。

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