阪急沿線文学散歩

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渡辺淳一『リラ冷えの街』鴨々川を歩く

 渡辺淳一『リラ冷えの街』で、主人公有津京介の妻の妹苑子は中島公園に続く西の一角にある貸家式アパートに住んでいます。

中島公園の西側の鴨々川沿いには渡辺淳一文学館があり、その近くに苑子のアパートを設定したようです。

写真は早朝の渡辺淳一文学館。今回は時間がなく入場しませんでしたが、建物は安藤忠雄設計です。

<電車通りから一丁半入っただけで、車の騒音は消え、静まり返った夜にはアパートの裏手を流れる川のせせらぎが聞えた。>

 川の流れは結構早く、せせらぎがはっきり聞こえます。
一丁という数え方は今や札幌独特の数え方のように思われますが、札幌市街の1ブロックを指しています。

<川の名は鴨々川といい、豊平川の取水口から公園の西を抜け、都心へ出て札幌を分つ創成川となる。川の両岸には柳が茂り、川の彼岸は公園の樹木となり、此岸は大きな邸宅や古い料亭がゆったりとした間合をもって建っていた。
この道だけはタクシーより人力車が、エレキより三弦が似合った。川にも道にも、家の構えにも、まだいくらか明治の札幌の名残りがあった。>
「鴨々川」の名は、明治期に京都の「鴨川」にちなんで名付けられたそうです。

今やビルが立ち並び、明治の札幌の名残を捜すのは難しくなっています。

 その鴨々川沿いを下流に向かって歩いていると、とんでもない建物に出くわしました。

 玄関には「北の海鮮炙りノアの方舟」と書いてあり、一瞬昔話題になったカルト集団「イエスの方舟」かと思いましたが、関係ないようです。

ホームページを読むと、
<英国人建築家「ナイジェル・コーツ」が手掛けたこの建物は、石化してしまったノアの箱舟をテーマに建てられ、その奇抜なデザインは建築物としても有名です。店内も英国人アーティストによるギリシャ神話をイメージした壁画や洗練された装飾が並び、まるで異国の地にいるよかのような不思議な感覚へと誘います。>
 食べログの評価も3.5点と、高評価。しかし、ここも時間がなくはいれませんでした。

 豊平川から分岐した鴨々川は、最後は直線状に札幌市街を東西に二分する創成川となります。


<この川沿いの道を苑子は好いていた。函館からでて来て、友達に誘われてこの道を歩いた時から好いていた。日ごとにリトル東京に変貌していく札幌の都市の近くで、ここだけはかすかな抵抗を示していた。>

 渡辺淳一がこの小説を書いた30年前と景色はかなり変わっているようですが、それでもまだ情緒が感じられる川辺でした。




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阪急沿線の街にゆかりのある小説や随筆、アニメの舞台を訪ね、当時の景色や登場人物に思いを馳せるセンチメンタル散歩です。震災以降、街並みは大きく変わりましたが、歴史ある美しい景観を守る一助になればと思っています。

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