阪急沿線文学散歩

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復元されていたゴッホの『跳ね橋』(『旅するフランス語』)

 常盤貴子さんの『旅するフランス語』第13章は南仏アルルのゴッホを巡る旅。

ゴッホファンにとっては貴重な数々の映像が紹介されます。

「夜のカフェテラス」が描かれたフォルム広場の前のカフェに続いて訪れたのは、ゴッホの『跳ね橋』。


 ところで、ゴッホに心酔し、夙川にあった喫茶店パボーニを文化・芸術の発信基地とした画家大石輝一はパボーニ会を結成し、機関紙『パボーニ誌』に「狂画人ゴッホ」と題して紹介記事を連載します。

 昭和30年第11号では、ゴッホが南仏アルルに移った経緯や、十数点描いた『跳ね橋』の紹介をしています。それによると、ゴッホは南アルルの風景に日本の美しさを見つけたようです。

ゴッホが親友ベルナールへ宛てた手紙からです。
<この土地の空気が綺麗で透明ななことと、晴れやかな色彩をしている点から推して、どうも僕は日本のように美しく思われる。水は我々が日本の錦絵で見て親しんでいる様な、蔭の濃い青か、乃至は華やかなエメラルドの布のように美しく見える。落日は濃いオレンジ色の太陽で大地は真っ青になってしまう。>

大石輝一は逆に、三田市の開拓村(現在の三田市淡路風車の丘)にゴッホが愛した南仏の風景を見て、晩年を「三田アートガーデン」の建設に捧げたのでした。

 ゴッホの描いた『跳ね橋』の一枚について、弟テオドルへ宛てた手紙で次のように説明しています。

<今日はF十五号の画布を持って帰った。それは青空の中に明瞭に浮き出ている『跳ね橋』の画で、小さな馬車が通りかかっている。空と同じに川も青。土手はオレンジで緑の草が生い茂っている。洗濯女の群れはとりどりの頭巾や上着を着ている。他にもう一点、田舎くさい橋と多くの洗濯女のいる風景……>

 他にもう一枚、大石輝一の「狂画人ゴッホ」に掲載されていた、1888年にゴッホが親友ベルナールに送った手紙に描かれた跳ね橋のスケッチについて調べていると面白いお話がありました。
https://www.excite.co.jp/News/photo_news/p-8068897/

1月8日まで東京都美術館で開催され、1月20日から京都国立博物館で開催されるゴッホ展で、ゴッホの幻の作品《恋人たちのいるラングロワの橋》を、一部分のみ残った作品の断片やスケッチ、手紙などを手掛かりに復元する試みを世界で初めて行われ、その画が展示されるそうです。

しかも、この復元を担当したのは、あの驚くべきゴッホの絵が動き出す映画「ゴッホ〜最期の手紙〜」の制作に世界各国から参加した120人余りの画家のうち、日本人として唯一参加した画家・古賀陽子さん。

しかも古賀さんは西宮市出身で、人物画を得意とする新進気鋭の画家です。

このような美しい画家に誘われると、ゴッホの京都展には是非行ってみたいと思ってしまいます。

 ところで常盤貴子さんの訪れた現在の「跳ね橋」はどうもレプリカのようです。
大石輝一の『狂画人ゴッホ』からです。
<その『跳ね橋』も、ゴッホが世界的に有名になるにつれ、田舎の運河に架かる木造の小さい橋も世界的に知られ有名になった。ところが第二次世界大戦によって爆撃されたものか、いまはコンクリートの寒々とした、無粋な橋に変わっていると式場氏は話されていた。>
 式場氏とは精神科医でゴッホ研究家としても名高く、『ファン・ホッホの生涯と精神病』を著した式場隆三郎氏です。
 またゴッホが描いた跳ね橋は1926年に壊されており、爆撃により破壊されたものではありませんが、現在の橋は間違いなく再建されたものでした。




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阪急沿線の街にゆかりのある小説や随筆、アニメの舞台を訪ね、当時の景色や登場人物に思いを馳せるセンチメンタル散歩です。震災以降、街並みは大きく変わりましたが、歴史ある美しい景観を守る一助になればと思っています。

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