阪急沿線文学散歩

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小説で「西宮」が一番数多く出るのは田辺聖子『お目にかかれて満足です』

 田辺聖子『お目にかかれて満足です』は神戸山手の古い異人館に住む料理と手芸が大好きな主婦るみ子32歳が主人公。


 夫・洋を可愛く思いながら、時々ふらりと現れる洋の弟・舷に危険なときめきと親しさを感じています。そのるみ子が、手芸の才能を認められるようになり、自宅に「るみの店 −アトリエ・るみ」というお店を開き、やりにくい夫を何とか操縦ながら、うるさい夫の実家と付き合い、 夫の弟と危うい関係を持つという物語。

 さて、この小説読み始めると、「西宮」、「西宮」と立てつづけに「西宮」が登場するのです。因みに「西宮」がこの小説に何回登場するか数えてみると、合計125回。これだけ「西宮」が登場する小説は他にはないでしょう。

 小説の冒頭では、夫の洋が心臓ドキドキして、るみ子に「西宮」に電話しろと言い出すのです。
<「オイ、何しとんねん、背中さするとか、『西宮』へ電話するとか、あ、苦しい、何とかせえ!」息もたえだえに叱りつけた。ベッドの枕元のデジタル時計を見ると、午前一時だった。こんな時間に「西宮」へ電話して、ホントウの急病、大病ならいいが、もしたいしたことがないなら、どうしてあとのつづまりをつけるのだ。「西宮」というのは洋の長兄で、産婦人科の病院をやっている医者の海太のことである。どこの家でも親戚を呼ぶとき、そういうことが多いように、ウチでも、地名で呼んでいた。>

 同じ名字の親戚を地名で呼ぶことは皆様もされているのではないでしょうか。同じ西宮に住む親戚であれば「〇〇町の」とか。
 そうなんです、「西宮」とは親戚の家を地名で呼ぶため、小説では名字代わりに使われ、125回も「西宮」が登場するのです。

田辺聖子さんにとって「西宮」は、『歳月切符』で
<西宮は、妹夫婦が一時住んでいたり、働いていたりして、私には馴染みのある町であった。ここは西鶴の小説にもでてくるえべっさんのお宮もあり、広田神社や甲山大師もあって、由緒のある町である。>
と述べられているように、よくご存じの町であり、

『窓をあけますか』にも満池谷墓地が登場します。

更に『お目にかかれて満足です』で、主人公るみ子と洋が暮らす神戸の異人館について調べてみましょう。





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田辺聖子 | コメント( 2 ) | トラックバック( 0)

市西出身の母から聞いた話ですが、田辺聖子さんの妹さんが市西の図書館で司書をなさっていたそうです。

[ 西野宮子 ] 2018/01/10 22:05:29 [ 削除 ] [ 通報 ]

西野宮子様 ありがとうございます。田辺聖子さんのお母様のことにつては聞いておりましたが、妹さんの情報は初めてです。ご存知の方はほとんどおられないのではないでしょか。

[ seitaro ] 2018/01/11 12:10:20 [ 削除 ] [ 通報 ]

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