阪急沿線文学散歩

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原作を殺さなかった蓬莱竜太の『平成細雪』

 NHK−BSの『平成細雪』1月で終わりましたが、脚本はあの『ピアノの森』の蓬莱竜太で、原作を生かした娯楽番組に仕上がっていました。


 原作の重要な場面も、現代に合わせてうまく登場させています。たとえば、雪子が四女の妙子に爪を切ってもらう場面。

 これは、谷崎潤一郎が「倚松庵」で松子と松子の長女恵美子に加え、妹の重子・信子も引き取り暮らしていた時代、信子が重子の足の爪を切っているのを見て、『細雪』にも描いたと思われる場面です。

<或る日、夕方帰宅した彼は、幸子が見えなかったので、捜すつもりで浴室の前の六畳の部屋の襖を開けると、雪子が縁側に立て膝をして、妙子に足の爪を剪って貰っていた。
「幸子は」と云うと、「中姉ちゃん桑山さん迄行かはりました。もう直ぐ帰らはりますやろ」
と、妙子が云う暇に、雪子はそっと足の甲を裾の中に入れて居ずまいを直した。貞乃助は、そこらに散らばっているキラキラ光る爪の屑を、妙子がスカートの膝をつきながら一つ一つ掌の中に拾い集めている有様をちらと見ただけで、又襖を締めたが、その一瞬間の、姉と妹の美しい情景が長く印象に残っていた。>

三女の雪子が四女の妙子に足の爪を切ってもらっていたのは、写真の部屋の縁側。

小説では六畳の部屋と書いていますが、浴室の前の写真の和室は四畳半です。
 この場面、谷崎の足フェティシズムに繋がる描写でもあり、原作では谷崎特有のエロティシズムを感じさせる名場面です。

『平成細雪』では、原作のようなシーンには仕上がっていませんが、縁側ではなく洋館のベッドで爪を切ってもらう場面を登場させてくれていました。





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谷崎潤一郎 | コメント( 4 ) | トラックバック( 0)

見なかったです 残念後悔です・・・・

[ モンセ分店薬局 薬剤師徒然日記 ] 2018/02/05 10:43:15 [ 削除 ] [ 通報 ]

きっとまたその内再放送があると思います。なかなかいいできでした。

[ seitaro ] 2018/02/05 11:59:50 [ 削除 ] [ 通報 ]

次回は是非、なんとしても見たいです。普段テレビを見る習慣が無いので・・

[ モンセ分店薬局 薬剤師徒然日記 ] 2018/02/05 23:45:25 [ 削除 ] [ 通報 ]

twitterで教えてもらいました。再放送が決まったそうです。
プレミアムドラマ「平成細雪」 <総合テレビ>で再放送が決定しました
●第1話 2月20日(火)午前0時15分〜 ※19(月)深夜
●第2話 2月20日(火)午前1時09分〜 ※19(月)深夜
●第3話 2月21日(水)午前0時15分〜 ※20(火)深夜
●最終話 2月21日(水)午前1時09分〜 ※20(火)深夜

[ seitaro ] 2018/02/06 0:10:43 [ 削除 ] [ 通報 ]

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