阪急沿線文学散歩

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沢木耕太郎『深夜特急』から40年後の“チョイ住みinバンコク

 バッグパッカーのバイブルとまで言われた紀行小説『深夜特急』で沢木耕太郎はバンコクの巨大マーケットを訪ねます。

<土曜と日曜は無料という王宮を見学するつもりで歩いていくと、その手前の大広場に、信じられないくらいの露店が並んでいた。その数、千、いや万にも達するのではないかと思われるほどの壮大さだった。数からいけば廟街以上、世界中でも一ヵ所にこれほど露店が集まっているところは他に例を見ないのではないかという凄まじさだ。>

 先月BSプレミアムで放映された“チョイ住みinバンコク”でも増子直純と白石準也が巨大週末マーケットを訪れますが、これは『深夜特急』から40年後の同じようなマーケットの姿でしょう。
<台の上に商品を並べて数人で売っている店もあれば、たった一人で首から籠を吊り下げて歩き廻っている売り子たちもいる。洋服もあれば、食料品もあり、日用雑貨もあれば、およそ何の役にも立たないようなガラクタも売っている。およそバンコクにある物でここに集まっていないものはない、と言っても決して言い過ぎではなかっただろう。あらゆるものが売られている。私は一歩足を踏み入れただけで嬉しくなってしまった。>

子供たちが大人に混じって働いているとも書かれていましたが、現在はほとんど見られなくなっているようです。
40年前のマーケットには、
<並んでいるのは露店ばかりではない。かなりの数の物乞いがいる。それも思わず眼をそむけたくなるような凄惨な姿をしている。>
と戦後間もない日本でも見られたような様子が描かれていますが、そのような姿も現在の映像にはなく、普通の活気あるマーケットのように見えました。

 増子と白石は最後の晩に地元で話題のタイ料理レストランに行きます。

繁華街の裏にあり、一階が雑貨屋になっているおしゃれなタイレストラン。

前回の記事では繁華街の庶民的な店での料理の値段は40年前の1.5倍程度と書きましたが、このレストランのお値段は日本とあまり変わらないような感じます。


レストランの値段の差は富裕層と庶民の貧富の格差を表しているようにも思えます。

そのような環境下にもかかわらず印象的だったのはバンコクの若者たちの生き生きした姿でした。

最後に豪邸にお別れする二人。
もっと庶民の生活に入り込んでいれば、更に興味深い番組になったのではと思いますが、今の日本人にとって、“チョイ住み”には、40年前沢木耕太郎が泊ったようなホテルや体験は考えられないのかもしれません。寂しいことですが。





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阪急沿線の街にゆかりのある小説や随筆、アニメの舞台を訪ね、当時の景色や登場人物に思いを馳せるセンチメンタル散歩です。震災以降、街並みは大きく変わりましたが、歴史ある美しい景観を守る一助になればと思っています。

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