阪急沿線文学散歩

サブURL(このURLからもアクセスできます):http://nishinomiya.areablog.jp/bungakusanpo

『砂の城』恩智勝之の秘密の場所へ

 泰子の母は恩智勝之と宝塚図書館で、たびたび会っていましたが、ある日、勝之の秘密の場所へ行くことになります。
<「ぼくには秘密の場所があるんだがな」とある日、帰りがけに勝之さんは笑いながら囁きました。「本当は今まで、誰にもしゃべらなかったんだよ」「教えて」と母さんは頼みました。
 その日、勝之さんは宝塚の次の駅で電車をおり、母さんを山の方に連れていきました。新芽がふきはじめた山々は、うすみどり色に変わり、林のなかに渓流の音と山鶯のおぼつかぬ声だけが聞えます。水は清らかで、ハヤが何匹かその水の溜まりに走っているのが見えます。
「いい気持ち」母さんは靴をぬぎ、素足を水にひたしました。「ここが勝之さんの秘密の場所?」「もっと奥」渓流のなかを二人で上にのぼりました。>
 さて勝之の秘密の場所とはどこにあったのでしょう。

昭和15年の阪急沿線図には宝塚図書館も書き込まれています。
「宝塚の次の駅」とは阪急沿線図からもわかるように、宝塚南口になりますが、次の泰子の母の手紙から、逆瀬川駅で電車をおりたことがわかります。
<その日、工場の帰り、怒りと恥しさとをこらえながら一人、逆瀬川の駅をおりて、あの場所まで歩きました。あの場所―勝之さんがそっと教えてくれた渓流のほとりは母さんにとって、今、残され最後の「美しいもの」にさえ思われました。>

昭和44年の逆瀬川と阪急電車の写真です。
駅は逆瀬川の左手にあり、甲山も写っています。

現在の逆瀬川です。

さて秘密の場所はここからどう行けばよいか突き止めるために、もう少し読み進めてみましょう。





goodポイント: 0ポイント

このポストをお気に入りに追加 0人がお気に入り登録中
このポストのURL http://nishinomiya.areablog.jp/blog/1000061501/p11729213c.html
遠藤周作 | コメント( 2 ) | トラックバック( 0)

おじゃまいたします。
きょう、『西宮文学案内』の落選ハガキが届きました。
聴講できないのは残念ですが、それだけ希望者が増えているのですから、むしろ喜ばしいことです。
わたしは、こちらのブログで教えていただきますね。

追伸 GWは、京都のみやこめっせで開催される「春の古書大即売会」で、掘り出し本をさがしに出かけるつもりです。

[ 373 ] 2018/04/28 18:40:34 [ 削除 ] [ 通報 ]

今回は抽選になってしまったのですか。申し訳ありません。
GW楽しみですね。

[ seitaro ] 2018/04/29 2:23:27 [ 削除 ] [ 通報 ]

名前   削除用パス  
コメント
※入力可能文字数は1000文字です

■同じテーマの最新記事
谷崎潤一『細雪』と遠藤周作『黄色い人』に描かれた阪神大水害
これほど寂しげな甲山が何度も登場する小説が他にあったでしょうか
背教者の人間的弱さへのあたたかい思いやりを見せる遠藤周作
<<新しい記事へ     以前の記事へ>>
このブログトップページへ
seitaroイメージ
阪急沿線の街にゆかりのある小説や随筆、アニメの舞台を訪ね、当時の景色や登場人物に思いを馳せるセンチメンタル散歩です。震災以降、街並みは大きく変わりましたが、歴史ある美しい景観を守る一助になればと思っています。

カテゴリー一覧

QRコード [使い方]

このブログに携帯でアクセス!

>>URLをメールで送信<<