阪急沿線文学散歩

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小出楢重が綴った昭和の初めの芦屋風景

 小出楢重は昭和初年から阪神芦屋駅のすぐ近くの川西町にアトリエを構えていました。


 小出楢重は『芦屋風景』で次のように述べています。
<芦屋という処に住んで二年になる。先ず気候は私たちの如くほそぼそと生きているものにとっては先ず結構で申し分はない。そして非常に明るい事が私たち淋しがり屋のために適しているようだ。>
芦屋に住んで、大変気に入られていた様子です。

上の写真は阪神芦屋駅ホームから見た風景。

<南はすぐ海であり、北には六甲山が起伏し、その麓から海岸まではかなりの斜面をなしている。東には大阪が見え、西には神戸の港がある。電車で大阪へ四十分、神戸に二十分の距離である。>

芦屋市民センターより海を望む。

芦屋市民センターから見る六甲山系。

<その気候や地勢の趣が南仏ニースの市を中心として、西はカーニュ、アンチーブ、キャンヌ東はモンテカルロといった風な趣きにもよく似通っているように思えてならない。>


南仏ニースの海岸とまではいきませんが、芦屋ヨットハーバーの景色。


こちらは西宮新ヨットハーバー、大阪湾を望みます。


<殊に山手へ散歩して海を眺めるとその感が深い。小高い丘陵が続く具合、別荘の多い処、自然が人間の手によってかなり整頓されている処、素晴らしいドライブウェイがあり、西洋人夫婦が仲良く走る有様なども似ている。私は散歩するたびに南仏を思い出すのである。>

現在の景色は当時とかなり変わっていますが、そういえば小川洋子さんも、同じように
<芦屋で家を探そうと、不動産屋さんの車に乗って、北から南に向かい芦屋川沿いに走ったとき「ここは南仏かな」と思うくらいに驚きました。>
と述べられています。

 しかし、小磯楢重は当時の住宅について、次のように苦言を呈しています。
<それから風景としての重大な要素である処の建築が文化住宅博覧会であるのだ。或る一軒の家は美しくとも、その両隣りがめちゃなのだ。すると、悉くめちゃと見えてしまう。その家があるために風景がよく見えるという位の家が殆どない。これは何も芦屋に限らない、現代日本の近郊の大部分は同じ事であるが。それにつけても羨ましいのはモンテカルロ辺りの古風な石造りの家や別荘の積み重なりの美しき立体感である。マッチの捨て場所のない清潔な道路である。>
これは今でも変わりません。
どうしてヨーロッパの町並みはあんなに美しいのでしょう。




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芦屋 | コメント( 2 ) | トラックバック( 0)

 ヨーロッパは厳格に規制しているからではないでしょうか☆彡

[ モンセ分店薬局 薬剤師徒然日記 ] 2018/09/12 9:17:47 [ 削除 ] [ 通報 ]

きっとそうなのでしょうね。どこも日本より、精神的に豊かな国に思えてしまいます。

[ seitaro ] 2018/09/12 15:11:33 [ 削除 ] [ 通報 ]

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阪急沿線の街にゆかりのある小説や随筆、アニメの舞台を訪ね、当時の景色や登場人物に思いを馳せるセンチメンタル散歩です。震災以降、街並みは大きく変わりましたが、歴史ある美しい景観を守る一助になればと思っています。

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