阪急沿線文学散歩

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原田マハ『スイート・ホーム』がある街、宝塚山手台へ

 原田マハの『スイート・ホーム』を読んで、小さな洋菓子店「スイート・ホーム」のある街を是非見たくなりました。
早速、阪急宝塚線で山本駅へ。


 山本駅は宝塚山手台住宅への玄関口で、宝塚市内の宝塚本線の駅では宝塚駅に次いで乗降客数が多いそうです。

駅前ロータリーから山手台行きのバスが出ています。
<大阪・梅田から、山手を走る電車に乗ってきてください。駅前のバス乗り場で、バスに乗って、ふたつめのバス停で下りてください。駅と家とをつなぐバス通り、いつも私が通っている道。私の大好きな道です。>

主人公陽皆の大好きなバス通りです。
陽皆はいつもバスの左側の座席に座るのですが、乗ったバスは空いていて、私は左側の一番前の席に座ることができました。

 梅田の地下街の雑貨屋に勤める陽皆が、早番を終えて帰路に就く場面です。
<駅前からバスに乗って、ふたつめのバス停まで。ゆるやかなカーブの坂道を、ぐんぐんバスが上がる。>

うまく設計されたゆるやかなカーブの坂道が続き、ケヤキ並木と石垣が高級住宅街の雰囲気を漂わせています。

<途中の橋から遠くの街並みが見える瞬間を狙って、私はいつも左側の座席に陣取る。夏ならば燃えるような夕焼けに包まれ、冬ならばとっぷり暮れた空に浮かんでちらちら揺れる街の明かりを眺める数秒間。これを見るたび、秘密の宝箱をのぞき見したような、ちょっと得した気分になる。>

この橋のことでしょう。下は砂防ダムになっていました。大阪平野の景色が広がります。きっと夜景は綺麗なんでしょう。
<バス停で下りると、ひんやりした空気と、緑のにおいに包まれる。青葉の季節なら、こんもり繁る木々を渡る風の音がする。夏の宵には、どこからか虫の声が。秋には、色づく木々の葉が擦れ合う音。冬には、やがてくる春のひそやかな足音が。どこかにひぞんでいる。もうすぐ春なんやなあ。もう夏がきたんやなあ。葉っぱがあ色づいてきたなあ。雪が降りそうな感じやなあ。
 めぐる季節を感じながら、ゆっくりと家路をたどる。梅田からほんの四十分で、こんなふうに自然を体感できる街に、私と、私の家族は暮らしている。>

駅前から二番目のバス停は宝塚山手台二丁目でした。

 バスに乗って宝塚山手台に上って行くと、原田マハさんが描いた通りの風景が広がります。
マハさんは当然この街を取材したと思いますが、四季折々そして昼夜の光景を、長年そこに住んでいたかのように美しく描いています。少ない取材でも、このように描くマハさんの才能には驚きました。





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阪急沿線の街にゆかりのある小説や随筆、アニメの舞台を訪ね、当時の景色や登場人物に思いを馳せるセンチメンタル散歩です。震災以降、街並みは大きく変わりましたが、歴史ある美しい景観を守る一助になればと思っています。

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