阪急沿線文学散歩

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北杜夫の上高地帝国ホテル

 先日、上高地日帰りツアーに行ったとき、どうしても立ち寄りたかったのが上高地帝国ホテル。北杜夫は学生時代の上高地帝国ホテルの印象を、『上高地あれこれ』で次のように述べています。
<そうして、初めに涙が出るような思いで接した上高地、次第に第二の故郷のような気持ちを抱いてきた上高地の懐かしい道を通り過ぎてゆくと、落葉松林の奥に、噂に聞いていた帝国ホテルの姿がほの見えた。当時はずっと閉ざされていて、山小屋風の瀟洒なその建物も、おそらくずいぶんと古び傷んでいたにちがいない。それでも、樹々のあいだに垣間見えるそれは、これまた夢のように童話じみたものと感じられた。>

大正池から梓川沿いに上って行くと、田代橋があり、そこから右折して上高地帝国ホテルに向かいます。

田代橋から見る梓川。

北杜夫はこのカラマツ林を抜けて帝国ホテルに向かったのでしょう。

林の間に「ほの見えた」帝国ホテルです。

帝国ホテルの裏側に出ました。

今でも山小屋風の瀟洒な建物です。

表側の玄関にまわって、ラウンジでコーヒーを飲んで休憩することにしました。

<そのように夢そのものであった上高地の帝国ホテル(戦後に建て直されたものであったが)に実際に泊まったのはつい数年まえのことである。部屋の梁も山小屋風で感じがよかった。ロビイの床は輪切りにした樹が埋め込んであって、靴の当りがごく柔らかかった。>

確かにロビイの床に輪切りにした樹が埋め込まれていました。

通路には昔の写真もかけられています。

竣工写真。

帳場です。現在もある床に埋め込まれた輪切りにした樹は竣工時からのもののようです。

<そして、しゃれた鉄の傘の下の暖炉の中で、赤々と薪が燃えていた。むかし私は、番人とていない季節外れの山小屋の土間で、ただ一人で心細く焚火をして暖をとったこともある。あおれに比べて、この快い薪火にあたって食後酒を飲んでいると、なにか自分が途方もない贅沢をしているような、うしろめたい気持ちすら起こってきた。>

玄関を入って正面に大きな鉄の傘の暖炉がありました。この周りが上高地帝国ホテルのカフェ グリンデルワルトになっています。

ここで、上高地の湧水で入れたコーヒーを楽しんできました。

 休憩したあと、再び田代橋に戻り、梓川沿いに上ります。

上高地帝国ホテルから明神岳が美しく見えていました。まるで、スイスにいるような風景でした。




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長野 | コメント( 2 ) | トラックバック( 0)

若かりしころ、帝国ホテルでケーキとコーヒーをいただいたことがあります。
奥穂高岳からの帰り、登山の恰好で行きましたが、おとがめはありませんでした。

[ 西野宮子 ] 2018/10/16 14:49:24 [ 削除 ] [ 通報 ]

私は今回はコーヒーだけでしたが、ロビーをうろついていると、さすが帝国ホテルの接客ぶりを伺い知ることができました。チャンスがあれば宿泊してみたいと思っています。

[ seitaro ] 2018/10/16 19:58:02 [ 削除 ] [ 通報 ]

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阪急沿線の街にゆかりのある小説や随筆、アニメの舞台を訪ね、当時の景色や登場人物に思いを馳せるセンチメンタル散歩です。震災以降、街並みは大きく変わりましたが、歴史ある美しい景観を守る一助になればと思っています。

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