阪急沿線文学散歩

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皇后様のお姿を聖ヴェロニカと重ねた末盛千枝子さん

 彫刻家・舟越保武氏の長女の末盛千枝子さんは国際児童図書評議会(IBBY)の国際理事としても活躍され、皇后様のご講演をまとめた『橋をかける』なども出版されています。


 末盛千枝子著『「私」を受け容れて生きる』の「私たちの幸せ −皇后様のこと」では、被災地や戦跡地に出向かれる皇后様の姿を少女ベロニカに重ねて述べられていました。

 ベロニカ像は父の船越保武氏が繰り返し作った彫刻です。

<父が、十字架を担って歩くキリストを追い立てる兵士を恐れずに歩み寄り、布を差し出して血と汗を拭った少女ベロニカを、繰り返し描き彫刻を作ったのは、そこに、人間の優しさと美しさの極みを見ていたからではないだろうか。ただ単に、美しい婦人だからとい訳ではなかったはずだ。>

 末盛さんは被災地に赴く皇后さまの姿をそのベロニカの姿に重ね合わせます。

<被災地や福祉施設、戦跡地や様々な式典など、挙げたらきりがないほどに、あらゆる悲しみのあるところに出向かれ、相手の話にじっと耳を傾けられる皇后様のお姿は、まるでベロニカを思わせる。ベロニカとは前述の通り、キリストが十字架になって血の汗を流して苦しみながら歩んでおられる時に、まわりの兵士を恐れず、ひとり歩み寄り、布を差し出して、血と汗をぬぐって差し上げたと言われる若い女性だ。苦しむ人をいたわる、もっとも優しく、しかも、なお勇敢で美しい高貴な女性の象徴とも言える。もちろん常に陛下とご一緒ではあるけれど、皇后様にベロニカを重ねあわせる人は少なくないだろう。>

 
 先日、10月20日の皇后陛下お誕生日の宮内記者会の質問に対する文書ご回答でも、
<そのような中,時々に訪れる被災地では,被災者の静かに物事に耐える姿,そして恐らくは一人一人が大きな心の試練を経験しているだろう中で,健気に生きている子ども達の姿にいつも胸を打たれています。また,被害が激しく,あれ程までに困難の大きい中で,一人でも多くの人命を救おうと,日夜全力を挙げて救援に当たられる全ての人々に対し,深い敬意と感謝の念を抱いています。>
と皇后様のご心境を率直に述べられています。
http://www.kunaicho.go.jp/page/kaiken/show/21

その中で、私の印象に残っているのは、次のお言葉です。
<皇太⼦妃,皇后という⽴場を⽣きることは,私にとり決して易しいことではありませんでした。与えられた義務を果たしつつ,その都度新たに気付かされたことを⼼にとどめていく − そうした⽇々を重ねて,60年という歳⽉が流れたように思います。>
 皇室がこれほどまでに、国民に身近に寄り添う存在と感じられようになったのも、長年の皇后さまのお心遣いとご尽力によるところが大きかったと思います。60年に渡るご公務、本当にお疲れさまでした。




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阪急沿線の街にゆかりのある小説や随筆、アニメの舞台を訪ね、当時の景色や登場人物に思いを馳せるセンチメンタル散歩です。震災以降、街並みは大きく変わりましたが、歴史ある美しい景観を守る一助になればと思っています。

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